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379 :社長の使い魔 ◆.H42NtoyGg:2007/12/21(金) 23 44 37.74 ID Yw+ghNwc0 番外編その二 ~賭博場のイカサマ~ フリッグの舞踏会で社長がルイズよりタバサに興味を持ったときの話 ,. -‐ 、. /  ̄`~` ‐ 、 / ` ` ‐、 / `‐、 / \ , \ / ! \ / l ! | i . / , │ l l ! | │ 「ふぅん。あの青髪の女、窓から出て行ったか / /./ | │ l 、 | | | , | .l ! ……まぁいい、たまには座興も必要だ」 . / / /l ! l | | | \ !|l | / | | ! / / ./ ! | l l | | ヽ. ヽ\ \ ヽ. ヽ. |│/ヽ| ! l ! ` ‐ 、| l ヽ. ヽ.ヽ. ! l\\`‐、ヽ、\ヽ.| レ /ヽヽl ! ! . `‐、| 、ト、__\ 、 ヽ. l トーz、-‐ラ フヽ!|!/_,ゝヽ }. |│ \ヽl\`ー ヽ、\ヽ ∨ー`‐← ||!-、-、 /! |│ ヽト. ´ ̄ジヽN` -ゝ |! リ /|.| | | ! \ _iー | |.| | | |\. \ r‐== ヲ |  ̄`~` ‐ - 、 | ` ー-ヽ、 V r -‐ / .| | | `‐、 `ー- ./| , -.、 | | `‐、 / .| { {lll}} f{! _ _,,. 、-‐ | `エ´-─ー| ` ー ゞ ´ ヽ` ー- |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| / 382 :社長の使い魔 ◆.H42NtoyGg:2007/12/21(金) 23 46 37.34 ID Yw+ghNwc0 ` 、 ;;;;;,,,,,` ――― 、 ____ ` 、 ;;;;;;;;;;;;;;; ,,,,,,,,...` 、 ‐-、;;;;;;;;;;;;;;`,,,、 l ;;;;;;;;;; ―-`、、 ヽ ` ‐、;;;;;;;;;;;;;` 、 .l .;;;;;;; ヽ ヽ ヽ , -‐,, ,=-,=‐―- 、 .ヽ ;;;;;;;.. ヽ;; ヽ ;;ヽ ヽ lィ‐vvv、` ´‐=‐-、 / l..;;;; ;;i .ヽ;;; ヽ; ;;;;;ヽ ;ヽ ヽii、;;;;;;´Wv、 ヽ`‐ ´‐=、 ,、 〉 ;;i );;;;,, ヽ;;;;;;;;;ヽ .;ヽ ` ii、,;;;;;;;;;;;´v ‐, ̄ニフフ l ヽ /; ;;;;;;;;i l ヽ;;i;;;; ト;;;;;;;;;ヽ ;l ,,‐ナ、;;;,‐ナ` ‐-、‐=トニ=-ト ヽヽ_, 、 ノ ;;;;;/l;i / ヽ; ;. |ヽ;;;;;;;;;;;i ;l ` ‐Til! / ト ;;lヽ、ヽl |‐‐, / / Yヽ;;;;/ レ ヽ | ヽ ;;;;;;i ;l Hi i タ /‐、| ト- l`ヽニフ ! l イ /l ノ/ ヽl ヽ;;;;i ;l トli タ ∧;;;;lヽ;;ヽク、ニ=llll/.|./{ ./ | /l´ ヽ;i l ヽ_/ l;;;;| ヽ;ヽ‐クTl/ V .V レ トヽ ヽ l ヽ;l ` lウ` Y ノ´ lヽノ トy ヽ | |};;l`ヽl/ / `v l | /-l ト、 | / / ノY ヽ !./ ノ`)ノヽ `l ./ ./ | i;;;ト 「来いブルーアイズ! /┐j´/ ヽヽ / ./|´`l | あの貧弱な龍を追うぞ!」 /ソ/l | .( /ヽヽ .//lヽノ/ ノ/ Y Yノ ヽl/ | ヽ‐ /ヽノ) .|/l /.| /´ |,、r、| lミl/l |、,、,l ,、 l{|/t-l.ト .lト |i |/lヽl,ノ l .l l | /,-‐ ‐- 、` ‐、 ヽlヽl ヽノ vvv レ ヽ/ ̄フ´l,,ノ‐ ` -‐ 389 :社長の使い魔 ◆.H42NtoyGg:2007/12/21(金) 23 53 45.48 ID Yw+ghNwc0 /ヽ、 ______________/ ,、 ` ー-、__________ /´i _ノ `ー 7 / `ー, } i | { .〈 ヽ__ノ ──---‐、 / ノ `ヽ、 \ <ー ァ ´ ̄゛⌒ ヽ、 「おねえさま、また任務なの?」 ` ヽ ト、 `--、 `/ i ヽ ,-┬、 |ヽ/ | /7 , -‐ .i |=ヽ. /_ , ト _|_ ./-- 、 ト-- 、 「そう」 __)ヽ }┘ / `ヽ//_ノ/.| ヽ、_|__./`ヽ、 ̄` ー| { ,、┐V,TLゝ/ |_ 、__ヽヽ、」 ´ / .| ヽ| |`ー- ニヽ- V、ヽ_ン ^ー-|/ ./、__  ̄ 「あのわがまま姫ったらこんなときに任務なんて! ` | ,-, ∠ ´, / |, - | | /ヽトヽ、 ` ,..イM,.、 `ー 空気が読めないにもほどがある……ってなんなのねー!!??」 |ゝ /ツ , -┘ ´ ´} { ̄|  ̄ フ./ /ヾ,Y-┬ァ´;;;;;;;\ ヽ _,ノ_,-.、 i.{ ハニコ / ヽ;;;;;;;ヽ風 ,;;;;;;--‐;7ー- ヽ-〃ノノ、 /ヽ { , | | .レ/ ,.-‐ ̄/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ /ノ / ハ } } 〉 「.| .|‐ ´. , ;;;;;;;;;;;;;;ハ;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;| / ∠_/ノ ヽノ /./. | | .| 、----く;;;;; -─ァ、;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;| / / // .∧ | | ヾ  ̄` Yr  ̄ .ヽ;;;;;/;;;;;;;;;;;;i  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | ̄ ヽ =-、ヽト、 V;; ⌒ヽ;;;;| | レー ´ ``ミ=、_ 7フ ̄´ ヽ;;;;;;;;;;;| ム「i )ノ _ イ `ヾ------ ;;;;;;;;;;;;i 391 :社長の使い魔 ◆.H42NtoyGg:2007/12/21(金) 23 44 37.74 ID Yw+ghNwc0 ` 、 ;;;;;,,,,,` ――― 、 ____ ` 、 ;;;;;;;;;;;;;;; ,,,,,,,,...` 、 ‐-、;;;;;;;;;;;;;;`,,,、 l ;;;;;;;;;; ―-`、、 ヽ ` ‐、;;;;;;;;;;;;;` 、 .l .;;;;;;; ヽ ヽ ヽ , -‐,, ,=-,=‐―- 、 .ヽ ;;;;;;;.. ヽ;; ヽ ;;ヽ ヽ lィ‐vvv、` ´‐=‐-、 / l..;;;; ;;i .ヽ;;; ヽ; ;;;;;ヽ ;ヽ ヽii、;;;;;;´Wv、 ヽ`‐ ´‐=、 ,、 〉 ;;i );;;;,, ヽ;;;;;;;;;ヽ .;ヽ ` ii、,;;;;;;;;;;;´v ‐, ̄ニフフ l ヽ /; ;;;;;;;;i l ヽ;;i;;;; ト;;;;;;;;;ヽ ;l ,,‐ナ、;;;,‐ナ` ‐-、‐=トニ=-ト ヽヽ_, 、 ノ ;;;;;/l;i / ヽ; ;. |ヽ;;;;;;;;;;;i ;l ` ‐Til! / ト ;;lヽ、ヽl |‐‐, / / Yヽ;;;;/ レ ヽ | ヽ ;;;;;;i ;l Hi i タ /‐、| ト- l`ヽニフ ! l イ /l ノ/ ヽl ヽ;;;;i ;l トli タ ∧;;;;lヽ;;ヽク、ニ=llll/.|./{ ./ | /l´ ヽ;i l ヽ_/ l;;;;| ヽ;ヽ‐クTl/ V .V レ トヽ ヽ l ヽ;l ` lウ` Y ノ´ lヽノ トy ヽ | |};;l`ヽl/ / `v l | /-l ト、 | / / ノY ヽ !./ ノ`)ノヽ `l ./ ./ | i;;;ト /┐j´/ ヽヽ / ./|´`l | /ソ/l | .( /ヽヽ .//lヽノ/ ノ/ Y Yノ ヽl/ | ヽ‐ /ヽノ) .|/l /.| /´ |,、r、| lミl/l |、,、,l ,、 l{|/t-l.ト .lト |i |/lヽl,ノ l .l l | /,-‐ ‐- 、` ‐、 ヽlヽl ヽノ vvv レ ヽ/ ̄フ´l,,ノ‐ ` -‐ 394 :社長の使い魔 ◆.H42NtoyGg:2007/12/21(金) 23 54 39.61 ID Yw+ghNwc0 ,. -‐ 、. /  ̄`~` ‐ 、 / ` ` ‐、 / `‐、 / \ , \ / ! \ / l ! | i . / , │ l l ! | │ 「ふぅん。やはりブルーアイズ、追いつくのも一瞬だったか」 / /./ | │ l 、 | | | , | .l ! . / / /l ! l | | | \ !|l | / | | ! / / ./ ! | l l | | ヽ. ヽ\ \ ヽ. ヽ. |│/ヽ| ! l ! ` ‐ 、| l ヽ. ヽ.ヽ. ! l\\`‐、ヽ、\ヽ.| レ /ヽヽl ! ! . `‐、| 、ト、__\ 、 ヽ. l トーz、-‐ラ フヽ!|!/_,ゝヽ }. |│ \ヽl\`ー ヽ、\ヽ ∨ー`‐← ||!-、-、 /! |│ ヽト. ´ ̄ジヽN` -ゝ |! リ /|.| | | ! \ _iー | |.| | | |\. \ r‐== ヲ |  ̄`~` ‐ - 、 | ` ー-ヽ、 V r -‐ / .| | | `‐、 `ー- ./| , -.、 | | `‐、 / .| { {lll}} f{! _ _,,. 、-‐ | `エ´-─ー| ` ー ゞ ´ ヽ` ー- |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| / 399 :社長の使い魔 ◆.H42NtoyGg:2007/12/21(金) 23 58 51.74 ID Yw+ghNwc0 /ヽ、 ______________/ ,、 ` ー-、__________ /´i _ノ `ー 7 / `ー, } i | { .〈 ヽ__ノ ──---‐、 / ノ `ヽ、 \ <ー ァ ´ ̄゛⌒ ヽ、 「キャアアアア!!!! ドラゴンなのね! こわい! こわい!」 ` ヽ ト、 `--、 `/ i ヽ ,-┬、 |ヽ/ | /7 , -‐ .i |=ヽ. /_ , ト _|_ ./-- 、 ト-- 、 「あなたもドラゴン」 __)ヽ }┘ / `ヽ//_ノ/.| ヽ、_|__./`ヽ、 ̄` ー| { ,、┐V,TLゝ/ |_ 、__ヽヽ、」 ´ / .| ヽ| |`ー- ニヽ- V、ヽ_ン ^ー-|/ ./、__  ̄ 「そうだったのね……ってちがうのね! なんでこのドラゴンがここにいるのね!」 ` | ,-, ∠ ´, / |, - | | /ヽトヽ、 ` ,..イM,.、 `ー |ゝ /ツ , -┘ ´ ´} { ̄|  ̄ フ./ /ヾ,Y-┬ァ´;;;;;;;\ 「……なんのよう?」 ヽ _,ノ_,-.、 i.{ ハニコ / ヽ;;;;;;;ヽ風 ,;;;;;;--‐;7ー- ヽ-〃ノノ、 /ヽ { , | | .レ/ ,.-‐ ̄/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ /ノ / ハ } } 〉 「.| .|‐ ´. , ;;;;;;;;;;;;;;ハ;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;| / ∠_/ノ ヽノ /./. | | .| 、----く;;;;; -─ァ、;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;| / / // .∧ | | ヾ  ̄` Yr  ̄ .ヽ;;;;;/;;;;;;;;;;;;i  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | ̄ ヽ =-、ヽト、 V;; ⌒ヽ;;;;| | レー ´ ``ミ=、_ 7フ ̄´ ヽ;;;;;;;;;;;| ム「i )ノ _ イ `ヾ------ ;;;;;;;;;;;;i 402 :社長の使い魔 ◆.H42NtoyGg:2007/12/22(土) 00 01 47.20 ID VBTde5LW0 ,. -‐ 、. /  ̄`~` ‐ 、 / ` ` ‐、 / `‐、 / \ , \ / ! \ / l ! | i . / , │ l l ! | │ 「ふぅん。舞踏会からドレスのまま外に飛び出せばいやでも目に付くわ / /./ | │ l 、 | | | , | .l ! 緊急事態なのだろう? 俺の力を貸してやろうと思ってな」 . / / /l ! l | | | \ !|l | / | | ! / / ./ ! | l l | | ヽ. ヽ\ \ ヽ. ヽ. |│/ヽ| ! l ! ` ‐ 、| l ヽ. ヽ.ヽ. ! l\\`‐、ヽ、\ヽ.| レ /ヽヽl ! ! . `‐、| 、ト、__\ 、 ヽ. l トーz、-‐ラ フヽ!|!/_,ゝヽ }. |│ \ヽl\`ー ヽ、\ヽ ∨ー`‐← ||!-、-、 /! |│ ヽト. ´ ̄ジヽN` -ゝ |! リ /|.| | | ! \ _iー | |.| | | |\. \ r‐== ヲ |  ̄`~` ‐ - 、 | ` ー-ヽ、 V r -‐ / .| | | `‐、 `ー- ./| , -.、 | | `‐、 / .| { {lll}} f{! _ _,,. 、-‐ | `エ´-─ー| ` ー ゞ ´ ヽ` ー- |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| / 407 :社長の使い魔 ◆.H42NtoyGg:2007/12/22(土) 00 04 44.51 ID VBTde5LW0 /ヽ、 ______________/ ,、 ` ー-、__________ /´i _ノ `ー 7 / `ー, } i | { .〈 ヽ__ノ ──---‐、 / ノ `ヽ、 \ <ー ァ ´ ̄゛⌒ ヽ、 「……迷惑」 ` ヽ ト、 `--、 `/ i ヽ ,-┬、 |ヽ/ | /7 , -‐ .i |=ヽ. /_ , ト _|_ ./-- 、 ト-- 、 「そうなのね! さっさと帰るのね!」 __)ヽ }┘ / `ヽ//_ノ/.| ヽ、_|__./`ヽ、 ̄` ー| { ,、┐V,TLゝ/ |_ 、__ヽヽ、」 ´ / .| ヽ| |`ー- ニヽ- V、ヽ_ン ^ー-|/ ./、__  ̄ 「……しゃべっちゃだめ」 ` | ,-, ∠ ´, / |, - | | /ヽトヽ、 ` ,..イM,.、 `ー |ゝ /ツ , -┘ ´ ´} { ̄|  ̄ フ./ /ヾ,Y-┬ァ´;;;;;;;\ 「……あっ」 ヽ _,ノ_,-.、 i.{ ハニコ / ヽ;;;;;;;ヽ風 ,;;;;;;--‐;7ー- ヽ-〃ノノ、 /ヽ { , | | .レ/ ,.-‐ ̄/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ /ノ / ハ } } 〉 「.| .|‐ ´. , ;;;;;;;;;;;;;;ハ;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;| / ∠_/ノ ヽノ /./. | | .| 、----く;;;;; -─ァ、;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;| / / // .∧ | | ヾ  ̄` Yr  ̄ .ヽ;;;;;/;;;;;;;;;;;;i  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | ̄ ヽ =-、ヽト、 V;; ⌒ヽ;;;;| | レー ´ ``ミ=、_ 7フ ̄´ ヽ;;;;;;;;;;;| ム「i )ノ _ イ `ヾ------ ;;;;;;;;;;;;i 410 :社長の使い魔 ◆.H42NtoyGg:2007/12/22(土) 00 07 53.82 ID VBTde5LW0 ,. -‐ 、. /  ̄`~` ‐ 、 / ` ` ‐、 / `‐、 / \ , \ / ! \ / l ! | i . / , │ l l ! | │ 「なるほど。貴様の選択肢は二つ / /./ | │ l 、 | | | , | .l ! このまま俺を目的地まで連れて行くか、拒否してそのドラゴンがしゃべれることを周知の事実にするかだ . / / /l ! l | | | \ !|l | / | | ! 好きなほうを選ぶがいい」 / / ./ ! | l l | | ヽ. ヽ\ \ ヽ. ヽ. |│/ヽ| ! l ! ` ‐ 、| l ヽ. ヽ.ヽ. ! l\\`‐、ヽ、\ヽ.| レ /ヽヽl ! ! . `‐、| 、ト、__\ 、 ヽ. l トーz、-‐ラ フヽ!|!/_,ゝヽ }. |│ \ヽl\`ー ヽ、\ヽ ∨ー`‐← ||!-、-、 /! |│ ヽト. ´ ̄ジヽN` -ゝ |! リ /|.| | | ! \ _iー | |.| | | |\. \ r‐== ヲ |  ̄`~` ‐ - 、 | ` ー-ヽ、 V r -‐ / .| | | `‐、 `ー- ./| , -.、 | | `‐、 / .| { {lll}} f{! _ _,,. 、-‐ | `エ´-─ー| ` ー ゞ ´ ヽ` ー- |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| / 前へ トップページ 次へ
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時はギーシュを億泰がフルボッコにする数分前…… 「フン、ご飯抜きは当然の報いよ」 そう言って自分だけお昼に手をつける。 うん、今日も美味しい。 部屋で着替えた後で少~~~し昼寝をしてしまったから、他の皆より遅い昼食だった。 周りは大体デザートに入っているので少し気恥ずかしい。 「掃除はもう終わったの?ルイズ? 少しばかり遅い昼食みたいだけどねー?」 ああ、もうこのキュルケときたらからかう事ばかり。 得意げな顔をして胸を揺らしている。こんなキュルケと家がライバルの自分が憎い。 「あら?そういえば使い魔はどうしたの? まさか一人で掃除させて自分は寝てたとかじゃないわよね?」 正解にすぎる。トリステインはどうなってしまうのか。 「~~~! その通りよ!文句ある!?」 「まあいいけどね。 貴方の使い魔があそこでケーキ配ってても」 「え!?」 キュルケに言われて辺りを見てみると、確かに間抜け面が見つかった。 隣のメイドとそれなりに仲良さそうにケーキを配っている。 (な、ななななによアイツは! なんで勝手にメイドと仲良くしてんのよ! いえ、平常心、平常心よルイズ。 使い魔が言うこと聞かないでメイドに餌付けされた位でなんだっていうの。 後でご飯を抜いて……ってもう一週間抜いたんだったァー!) そんなこんなで悩んでいるルイズをキュルケが可愛い物を見る目でこっそり鑑賞しだした頃、 ふと勘違いのギーシュの辺りでモンモランシーと知らない少女の怒鳴る声、それからガラスの割れる音が聞こえた。 見ると、ツープラトンを食らっているようだ。 「あちゃー、ギーシュってば手酷くやられたわねー」 「……自業自得じゃない」 あれ?いつの間にかアホのオクヤスが厨房に戻って出てきて…… と時がすっ飛んでいることにルイズが気づくのと同時に、メイドが土下座をしていた。 ボーッとそれを見ていると、今度はオクヤスがギーシュとなにやら言い合いを始めて…… 気づいた時にはもう億泰がギーシュをフルボッコにしていた。 白目を剥いて鼻血と舌をダランと垂らしたギーシュの襟首を掴んで殴っている。 暫くすると手を離されてギーシュが床に沈みこむ。 さっき取り巻いてた友人達が引っ張ってく様子を見て、 マリコルヌと一緒におねんねするのね、とルイズは思った。 「って何をやってるのアンタはーーー!?」 メイドに手を差し出して立たせていた億泰へと詰め寄ることにした。 「お、オクヤスさん!? 逃げてください!貴族を殴っちゃうなんて! 殺されちゃいますよ!?」 「そ、そうよ! アンタ何考えてやってんのよ! 今度は魔法使ってくるわよアイツは!」 「いや、別になんも考えてなんてねーけどさ」 それを聞いてルイズとシエスタはサッと顔を青くし、周囲の生徒は皆ずっこけた。 「考えなしでギーシュをボコボコに!?平民が!?」 「いや、別にギーシュはどうでも良かったけどアホかアイツは!」 「へへ、あの平民が何日生き残れるか賭けようぜ! 俺は一日目でだ!毎食のはしばみ草のサラダを賭けるぜ!」 「Bad!もっとまともな物を賭けるんだ! 僕は三日で……この十枚を賭けよう!」 「Good!」 「ああ、どこに行ってたんだアンジェロ岩! 心配したよ急に居なくなってるもんだから!」 アギ…… 「~~~~! 出かけるわよ!用意しなさい! メイド、アンタは馬の支度!」 喧騒をよそにルイズがシエスタと億泰を食堂から引っ張り出して命令する。 「え、あの、ミス・ヴァリエール? 午後の授業は言ったいどうするんですか?」 「サボるわよ…… 町にいくの。少なくともギーシュが起きあがる前までに剣を買うわ。 丸腰よりは幾らかマシだもの」 「剣~~~? オメーが使うってのか~~?」 「アンタのよ!」 そして三時間後 「腰がいてェェ~~!」 「情けないわね、馬にも乗った事ないなんて。 それより気持ち悪いからその歩き方なんとかならないの? 相当人の目を引いてるじゃないの」 トリステインの城下町へと辿り着いた二人の様子は対照的だった。 映画のセットのような街中をひょこひょこと内股で歩く学生服の億泰。 それを気持ち悪い物を見る目で見ているルイズ。 そして億泰の(主にケツを)見ているイイ男数人。 「というか、アンタ感謝の気持ちが足りてないでしょ。 生存確率上げてあげようと思ってわざわざ町まで遠出したのに……」 「だからよォー、いらねーっつったじゃねーか」 「メイジの魔法って物を分かってないわね。 そんなんじゃ本当に死ぬわよ?さっきの逆の構図で」 馬の上でも何度も交わした問答だったが、 改めて言っても無駄だったので億泰は諦める事にした。 「それより、預けた財布は大丈夫? 大通りなんだからスリ多いのよ?」 財布は下僕が持つ物だと言われ馬から降りるなり財布を預けられたのだ。 ずっしりとした感触に顔がどうしても綻ぶ。 「大丈夫だってーの。 こんな小さな通りでよぉ~~スられっかって」 「小さいって……この町一番の大通りよ?ここ」 そう言いながらもルイズは更に狭い路地裏へと入っていく。 汚物やらゴミやらが道端に放置されていて、 入ってきた二人に気づいた猫が子犬を咥えて走り去っていった。 「うわ、見るからにヤバそーですって感じだなァー」 「だからあんま来たくないの。 ほら、さっさと用事を済ませるわよ」 そう言ってルイズは路地裏を進んでいき、やがて一軒の店へと入っていった。 億泰が看板を見ると、剣の形をした銅の看板がかかっている。 どうやら武器の店らしいな、と思いながら億泰はルイズに続いて店内へと入った。 店の中は昼間だというのに薄暗く、所狭しと並べられた武器防具がランプに照らしだされていた。 奥には五十絡みの親父がたるんだ顔してパイプをふかしている。 「レストラン・トラザr じゃねーや、こんな所へ何の用だい?おじょうちゃ……」 くわえたパイプを離し、ドスの利いた声で言いかけた所でルイズの服装に気づいたらしい。 胸元の五芒星に目をやると、途端に態度を変える。 「旦那。貴族の旦那! うちはまっとうな商売をしてまさあ、お上の目にさわるような事はこれっぽっちも! もう『ゼロ』でさあ!」 「客よ」 『ゼロ』に反応してムカつきながらも、ルイズはそう言って物色しだす。 やがて、自分では剣の良し悪しなんて分からない事を理解して億泰に尋ねる。 命が懸かってる分本人に尋ねた方が分がいいだろうと考えたのだ。 「ほら、どんなのが欲しいの?」 「ってもよォ~俺帰宅部だったしそんなん分からねーって」 「アンタ自分の命懸かってるのがわかんないの!?」 そう言い合う二人を見ると、店主はいそいそと奥へ引っ込んでいく。 そして、倉庫に入る前に振り向いてニヤニヤと笑いながら小声で呟いた。 「ド素人どもめ、鴨葱ってやつか。 せいぜい高く売って儲からせてもらおうかね」 やがて店主は奥から1.5メイルはあろうかという立派な剣を油布で拭きながら持ってきた。 両手で扱える程の柄の長さに、ところどころ宝石が散りばめられている。 「なるほど、確かに昨今は貴族の方々の間で下僕に流行ってますからね。 そこの兄ちゃんはガタイもいいし、コイツでもきっと扱いきれますな。 どうです?コイツはこの店一番の業物ですぜ」 その輝きにルイズも億泰も魅入られたのか、覗き込んだ。 やがて、ルイズが聞き出す。 こいつでいいやと思ったのだろう。見栄っ張りのルイズらしい所である。 「おいくら?」 「へい、何せこいつはかの高名な錬金魔術師シュペー卿が鍛えた一品でしてね、 ちょいと値が張りますぜ?」 「私は貴族よ?ほら、もったいぶらないで言いなさい」 「エキュー金貨で二千、新金貨では三千になりますな」 その値段を聞いた途端、ルイズがあんぐりと口を開く。 億泰はサッパリこちらの金銭感覚が分からないのでポケーっとしていた。 「ドンくらいの価値なわけ?これ」 「森つきの庭と立派な邸宅が買えるくらいよ」 「……ハァ?何言ってんだてめー! 俺達からボろうってでも言うのかコラー!」 「お、おい、勘弁してくださいよ兄ちゃん。 うちの品物にケチつけるってのかい? 青銅だって真っ二つだし、青銅や青銅や青銅のゴーレムが殴った程度じゃ折れない代物なんですぜ?」 弁解と追求の争いが始まろうとしたその時、乱雑に積まれた剣の山の中から声がした。 低い男の声だ。 「おいおめえ!ケチつけるんなら証明でもすりゃーいいじゃねえか! 鉄を切るだとか剣がダメになるだとかの前に腕が壊れるだろうがな! むしろ棒っきれでも振ってんのがお似合いだぜ猿野郎が!」 「ん、んだとてめー!」 いきなりの悪口にムカっ腹が立った。 しかもいつもと違うバリエーションだったためにより一層だ。 しかし、声がしても姿が見えない。 「デル公てめえ!商売の邪魔する気か! せっかく良い値でだま……っと、売れそうだってのに!」 「黙ってろいオヤジ! ほらほら、帰んな貴族の娘っ子!」 「失礼ね!」 怒鳴るルイズをよそに、億泰は声の方へと近づいていく。 そして、剣の山の中から一本の剣を引き抜く。 「まさか、おめーがしゃべってんの?」 「そうだぜこのボケナス!」 それは薄手の長剣だった。 しかし、錆がところどころに浮いてとてもじゃないが使えそうとは言えない。 「ほォー!剣がしゃべんのか!おもしれーな」 「それって、インテリジェンスソード?」 ルイズが当惑した声を出してその剣を見た。 「そうでさあ若奥様。意思を持つ魔剣インテリジェンスソードでさ。 どこの物好きが始めたのか、剣をしゃべらせるようにした奴なんですが…… いかんせんこいつは性格は悪い、口は悪い、喧嘩早いととにかく嫌な野郎でして。 おいデル公!失礼はそこまでにしときな!それ以上すると川底に沈めるからな!」 「そん時は魚に話して岸まで運んでもらうから構わねえぜクソオヤジ!」 「なんだとこの野郎!孤独だよ~!って喚いてもゆ、許さないからな!」 歩き出す主人を億泰が手で制す。 その表情は新しいおもちゃを手に入れた子供、 あるいは康一が由花子に初めて呼び出されたシーンを見た億泰のようだ。 「おもしれーじゃねーか。 俺よォ~、このデル公でいーぜ?」 「え?い、嫌よそんなの。 『ぜ~~~~ったいに負けんのだあ!』とか叫びそうじゃないの」 「俺様はデルフリンガー様だ!デル公じゃねえ! さっさと放せ三下!……?」 ルイズと一緒になって抗議しだしたデルフリンガーだったが、ふと押し黙った。 そして、暫くたってから再び話しはじめる。 「おでれーた。てめ『使い手』じゃねえか。 ああ。あんなナマクラよりは損はさせないから俺を買え」 「ん、だから買うっつんじゃねーかよォ」 そう億泰が言うとすぐにまた押し黙る。 「チッ…… まあ、ソイツなら厄介払いで百で結構でさあ。 どうしやすか?相場なら数百は頂きやすし、そいつ鞘に入れとけば黙りやすんで」 ウッとルイズは息がつまる。 財布には数百も無い。せいぜい二百が良い所だったのだ。 だから、それを気取られないように精一杯虚勢を張って言う。 「仕方ないわね……こいつでいいから買ってあげるわ」 「ヘイ、毎度あり!」 そうして、デルフリンガーを抱えて二人は出て行った。 途端に武器屋には静寂が戻ってくる。 「フン、今日はもう店じまいにするかね。 五月蝿いのがいなくなってせいせいしたしなあ」 酒瓶を取り出しながら親父は独り言を漏らす。 「ま、これで儲け話を零さないで済むんならマシってもんよ。 なあ?そう思うだろおめーら。 ……チッ、今日はやけに酒が塩辛いな」 親父の呟きは、ガランとした店の中に消えていった。
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「何よこれ」 その日ルイズが召喚したものは、小さな茨の冠だった。 「何が出てきたんだ?」「何も見えないぞ」「ネズミでも呼び出したんじゃないか?」 ルイズの後ろから、同級生達の声が聞こえてくる。 ゲートから召喚されたものが何なのか、見ようとしているのだろう。 ルイズは一歩前に出て、地面に置かれた茨の冠を手に取った。 よく見ると、中央に穴の開いた奇妙な鏡に茨が絡みつき、冠の様相を見せている。 なんだかよく分からないけれど、これは自分が召喚した使い魔らしい。 「ミス・ヴァリエール、どんな使い魔を召喚したのかね?」 どこまでがおでこなのか分からない教師、コルベールがルイズに近寄り、ルイズの手をのぞき込む。 「あの、これ…」 手の中にある茨の冠を見せると、コルベールは首をかしげた。 「これ?…はて、これとは、どれのことですか?」 「だから、この茨の冠みたいなものです」 「…?」 「…」 「…」 ほんの少しの間、重たい沈黙が流れたかと思うと、コルベールはぽんと手を叩いて他の生徒達に向き直った。 「えー、皆さん!そろそろ帰らねば、次の授業に遅れてしまいます、少々急ぎ足で戻るとしましょう!」 コルベールの声を聞いて、生徒達は空を飛んで、トリスティン魔法学院へと帰っていく。 ルイズを馬鹿にする言葉も少なくない、誰かは「とうとう頭がヘンになった」とまで言ってルイズを侮蔑し、飛び去っていった。 「ミス・ヴァリエール、召喚が失敗したからと言って意地を張ってはいけません、さあ、もう一度やり直しましょう」 「え…」 優しく語りかけるコルベールの笑顔が、ルイズにはとても残忍なものに見えた。 コルベール先生の指導の元、サモン・サーヴァントを何度もやり直したが、ルイズの前に使い魔を呼び出すゲートは現れなかった。 ルイズは何度も茨の冠のようなものを指さし、これが呼び出されているからゲートが開かないのだとコルベールに説明した。 だが、コルベールは気の毒そうにルイズを見ると、今日はもう疲れているのだから休みなさいと言って、魔法学院に帰るよう促した。 そこでルイズは気づく、この茨の冠はコルベール先生に見えていないのだと。 「先生!違います、本当に私、使い魔を呼び出したんです、この茨の冠みたいなものを、持ってください!」 ルイズはコルベールの手を取って、その上に茨の冠を載せる。 だがそれはコルベールの手を通り抜け、地面に落ちてしまった。 「…!」 呆然とするルイズを見たコルベールは、ルイズが意地を張り過ぎて混乱しているのだと考えた。 空を飛ぶことの出来ないルイズは、魔法学院に歩いて帰るしかない。 混乱状態の生徒から目を離す訳にはいかないので、コルベールはルイズと共に歩いて魔法学院へと戻ることにした。 ルイズは茨の冠を胸に抱き、部屋に戻ろうと歩いていた。 その途中キュルケとすれ違い、この茨の冠は他人には見ることが出来ないと、改めて認識することになった。 「あら、ヴァリエール、胸に何か抱いてどうしたの?」 「…”何か”って、ツェルプストーは、これが見えるの?」 「これって、どれのことかしら」 キュルケは、胸の前で交差させたルイズの腕をのぞき込む、だがそこには何もない。 胸すら無い。 「何にも持ってないじゃない、あんた大丈夫?」 「見えない…の?」 「?」 部屋に戻ったルイズは、茨の冠を手に持ち、考える。 これは一体なんだろう? 他の人には見ることも出来ないし、触れることもできない。 ルイズからは見ることができ、触れることもできる。 訳が分からなかった。 やたらにルイズのことを心配し、魔法学院まで付き添って歩いてくれたコルベール先生。 彼はきっと、サモン・サーヴァントに失敗たと思いこんでいるのだろう。 使い魔がいないメイジは二年に進級できない、つまり、明日の授業は皆と一緒に受けることもできず、一年生と一緒に授業を受けることになる。 けれども、自分は確かにこの茨の冠を召喚した。 誰にも認めて貰えない使い魔。 ルイズは笑った、だが、それは自虐的な笑いだった。 何年も何年も、魔法が成功しない、ゼロのルイズと蔑まれてきた結果が、誰にもその存在を認められない使い魔。 本当に自分にはお似合いだと、泣きながら笑った。 ルイズは茨の冠を手に取り、鏡の前に立つ。 これを被ったら、どんな格好になるだろう、花の冠ではなく茨の冠なんて、自分にはお似合いかもしれない… そう考えながら、ルイズは茨の冠を頭に乗せた。 『ハ ー ミ ッ ト ・ パ ー プ ル ! 』 ぱっ、と頭の中で何かの声が響く。 ルイズは咄嗟に部屋の中を見回したが、自分以外だれも居るはずがない。 だが、確かに聞こえたのだ、『ハーミット・パープル』と。 改めて鏡を見ると、頭に乗せたはずの茨の冠が消えていた。 これが後に『ゼロのルイズ』を『ゼロの茨』と名を変え、『虚無の茨』として恐れられる運命の第一歩だとは、本人ですら気づいていなかった。 続かない。
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爆炎の使い魔 番外編~平行世界では~ 夜の校舎裏で二つの影が対峙していた。 「私の名前はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール・・・。 誇り高きヴァリエール家の子女・・・。 パイプを吸うやつは近寄らせない、ワインは嗜む程度・・・。 夜11時には床につき、必ず8時間は睡眠をとるようにしている・・・。 寝る前に暖かいミルクを飲み、30分ほど予習と復習をしてから床につくと、 ほとんど朝まで熟睡よ・・・。赤ん坊のように疲労やストレスを残さずに、 朝 目を覚ませるの・・・。」 「それがどうした?『ゼロ』のルイズ。 まさかそんなくだらないことを言うためにわざわざ呼び出したのかい?僕はまたてっきり愛の告白かと。」 「私は常に心の平穏を願って生きている人間、ということを説明しているのよ・・・。 貴方はいつも私をゼロと呼び馬鹿にしている・・・。わざわざ私の目の前で、ね・・・。 それがどれだけ私にストレスを与えているか理解できるかしら・・・?」 「そんなの僕だけじゃあないだろう・・・? 使い魔呼び出せたからって・・・調子に乗ってンじゃあないぞ!!ゼロのルイズ!!」 「そうね・・・確かに貴方だけじゃあないわ・・・今貴方がここにいるのはたまたまなのよ。 たまたま・・・貴方が一番最初に殺される・・・それだけのコトよ。」 「何をワケのワカンネーことを言っている!?君は頭脳がマヌケか!? この僕が!直々に!教育してやろう!」 プッツンした彼は杖を振り上げた。 「焦らないで・・・。私の使い魔・・・キラークイーンと言うのだけれど・・・。 ちょっとした特殊能力があるの・・・。」 「この状況でおしゃべりかい?ずいぶんとヨユーじゃないか!」 「いえ・・・貴方に私のキラークイーンの特殊能力を教えようと思ったの・・・。 だって・・・どーせ貴方は既にキラークイーンによって始末されてしまっているもの・・・。」 「僕が・・・既に始末されている・・・だって?」 「ええ・・・キラークイーンの特殊能力・・・ それは・・・キラークイーンは触れたものはどんな物でも爆弾に変えることが出来る・・・。」 彼の背後に佇む半透明の異形!!それは彼女達の争いが始まった直後から存在していた! 「こ、こいつはっ!?」 「たとえ杖だろーと・・・フフ・・・なんであろーと・・・。」 カチッ! ボグオォォン! 「グベラッ!!?」 「これで・・・また一歩・・・平穏に近づいた・・・ワネ、ウフフ。」 「うっ・・・うぅ・・・。」 「一発では・・・死ななかったのね・・・。」 「なにを・・・されたんだ?僕は・・・一体? どぉーなってるんだぁー!!?た、た助けてくれェー!!」 「だめだめだめだめだめだめだめ! 貴方は死ななくてはならないの・・・。誰一人として・・・ このキラークイーンの能力を知る者はいてはいけないの・・・。 ああ、それと・・・他にも私のことを大っぴらに馬鹿にする連中がいたわよね? 彼らについて聞いておきたいのだけれど・・・。貴方の取り巻き連中の他には誰がいるのかしら?」 「知・・・知ら・・・ない・・・。」 「知らないってことはないでしょう・・・いいかしら? しゃべらなければね・・・貴方の恋人も・・・始末するわよ。」 「なん・・・ッだ・・・と!!ぼ、僕の『ケティ』と『モンモランシー』をッ!!」 「早くしゃべりなさいよ。貴方がしゃべれば何もしないわ・・・モタモタしてると誰かここに来るかもしれないじゃない! 名前だけでかまわないわ・・・早く、ホラ!」 「させ・・ない!この・・・『青銅』のギーシュ・グラモンを甘く見るなッ!!」 ドォン! 「貴方!まだ・・・動かせたの!?青銅を!キラークイーン!!」 。 「いない・・・ワルキューレね・・・あんなボロボロだったのに杖を使えるなんて・・・。」 「誰でもいい・・・ルイズは・・・危険だと・・・伝えなければ・・・。」 「ところで・・・聞こえているかしら、ミスタ・ギーシュ?」 「なん・・・だ?いや大丈夫、位置まではバレていないはずっ!あれは罠だ!」 「貴方は今・・・位置まではわからないハズだ・・・そう考えているのでしょうね・・・。 正解よ。確かに私には貴方がどこにいるのかわからない。そして・・・今が昼だったら・・・ 私の負けだったでしょうね・・・。」 「落ち着け、ギーシュ・・・あれはハッタリだっ!僕は校舎にたどり着ければいいんだ!それだけなんだ!」 「でも今は真夜中・・・他に出歩いている人なんて・・・いないわ。 体温があるのは・・・貴方と私だけ・・・フフッ・・・シアーハートアタックッ!!」 ギャルギャルッ!! コッチヲミロ~!! 「ッ!?なんなんだ!一体!!僕の手がっ!!」 ヲイ・・・コッチヲミロッテイッテルンダゼ 「こ、こいつはッ!コイツはっ!!うわあああああっ!」 ガボオォッ!! 「あごォッ!!」 カチッカチッカチッ・・・カチリ チュドォオオォン!! 「やれやれ・・・ね。まあ・・・地道に探すことにするわ・・・。 私には・・・力があるのだから・・・もう誰にもゼロだなんて呼ばせない・・・。」
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++第九話 使い魔の決闘③++ 花京院はゆっくりと身体を起こした。 身体の節々が痛む。特に右腕の痛みが酷い。 しかし、立つことはできた。 それを阻止するはずのゴーレムは立ちすくんでいる。 主からの命令が来ず、どうすることもできないのだ。 ギーシュは自分の喉を押さえ、目を白黒させていた。 「どんな気分だ? 自分の中に何かが入っているっていうのは」 「……!」 目を見開き、ギーシュは必死に訴えるが、その声は出ない。 花京院はギーシュからバラを取り上げた。 バラの造花が魔法の杖だったようで、ゴーレムたちは次々と土に戻り、土の山だけが残った。 「さて、僕は考える。これから『お前をどうするか』をな」 「……」 「今、お前の中には僕のスタンドが入っている。僕の意のままに動き、お前を殺すことができる力だ」 花京院の言葉に、ギーシュの顔が青くなる。 「このままお前を操って自分の首を締めさせようか。それとも内側から風穴を空けようか。いっそこのまま内側から破裂させるという考えもある。……しかし、このまま殺すのを決闘とは呼べないな」 スタンドを操作し、ギーシュの右手を差し出させた。 その手のひらにバラを置き、握らせる。 ギーシュは理解不能というように、花京院を見た。 「剣を二本作れ。それ以外に何かしたら殺す」 花京院の本気を感じ取ったようで、ギーシュは身震いした。 恐怖に震えながらも、バラを振る。 すぐ側の地面が盛り上がり、二本の剣が現れた。 ギーシュに剣を握らせてから、距離を取らせた。 互いの距離は三歩ほど。一歩踏み込めば剣が届く程度の距離だ。 「お前は剣を握ったことがないだろうし、戦いの経験も浅いだろう。一方、僕は戦いには慣れているが、身体がもう限界に近い。今の僕とお前なら対等だと思わないか?」 「……」 ギーシュは無言のまま握った剣と花京院の顔を見比べた。 彼の顔には今までの余裕の笑みも、からかいもなかった。真剣勝負への恐怖と、もう一つ別な感情がそこにはあった。 エジプトでDIOの館に乗り込むとき、全員が持っていたもの。 DIOとの最後の戦いのとき、花京院が持っていたものと同じものだ。 力量の差がはっきりしていても、それがあれば戦える。 絶望的な状況でも、それさえあれば希望が見出せる。 それを言葉にするのならば――“勇気”。恐怖を克服する力だ。 ……なかなか、いい顔になってきたじゃないか。 ギーシュは敵であり、ルイズを侮辱した相手に違いはない。しかし、花京院は少しだけ敬意を払うことにした。 目の前に突き刺さった剣の柄頭に手を置き、花京院は高らかに宣言した。 「我が名は花京院典明。我が主、ルイズ・ド・ラ・ヴァリエールの誇りのため、そして、傷つけられた二人の少女のため。ギーシュ・ド・グラモン、お前に敗北を味わわせてやる」 ギーシュは震える手で剣を握り、構える。 花京院も左手で剣を掴んだ。 その瞬間、左手に刻まれたルーン文字が輝き出した。 花京院とケンカし、部屋に戻ったルイズは落ち込んでいた。 ベッドの上に仰向けになり、天井を眺めながら呟く。 「なんであんなこと言ったんだろ……」 あの時、魔法について質問され、怒ってしまった。 自分をゼロのルイズだと馬鹿にしているんだと思った。 前の授業でも失敗していたから余計に傷ついてしまった。 でも、あいつは知らなかったんだろう。魔法のことも、たぶん今日始めて知ったはずだ。 自分の知らないことを質問する、そんな当たり前のことを怒ってしまった。 「……はぁ」 ため息ばかりが口から漏れる。 謝りに行こうかとも考えたが、自分のプライドが許してくれない。 使い魔に頭を下げるメイジがどこにいる。使い魔はメイジの下僕。向こうが謝るのが道理というものだろう。 ルイズは起き上がり、腕を組んで考えた。 謝るべきか、謝らないべきか。 悩んだ結果――ルイズは立ち上がった。 「よ、様子を見るだけ。ただ、様子を見に行くだけよ。使い魔の管理はメイジの仕事だからね。それを怠るのはメイジとしてどうかと思うし」 誰に言うでもなく言い訳をして、ルイズは部屋を出た。 その時、目の前を二人の生徒が横切った。 「あのギーシュが決闘? 本当かよ。相手は誰?」 「平民だって聞いたぜ。あのゼロのルイズが召喚した使い魔だって」 「ちょっと待ちなさい!」 思わず、ルイズは呼び止めた。 怪訝な顔で二人は振り返り、ルイズの顔を見て目を見開いた。 そんなことには一切構わずに、ルイズは尋ねる。 「私の使い魔が……なんだって?」 「い、いや、今のは別にお前を馬鹿にしてたわけじゃ……」 ルイズの勢いに気圧され、一人が慌てて弁解しようとする。 「そうじゃない。私の使い魔が、ギーシュと、何をするって?」 「あ、ああ。聞いただけなんだが、どうも決闘するらしいぜ。お前の使い魔とギーシュが」 「……場所は?」 「ヴェストリの広場。ひょっとしたらもう始まってるかも……」 終わりまで待たず、ルイズは走り出していた。 こんなことなら、離れるんじゃなかった。 失態を悔やみ、自分を責める。 メイジと平民では勝負にすらならないだろう。 いくら相手がドットのギーシュだとしても、それは変わらない。 それだけの力の差がメイジと平民にはあるのだ。 初撃で、諦めてくれるならいい。 負けを認めて、すぐに引き下がるならいい。 それなら少しの怪我だけで済む。 でも、あいつはきっとそうしない。 ボロボロになっても、負けを認めないだろう。 たとえ絶対に敵わなくても、戦いを続けるだろう。 きっと、死ぬまでそうするつもりだ。 あの使い魔はそういう奴なのだ。 短い付き合いでも、ルイズにはそれがわかっていた。 だからこそ、急がなければならない。 生意気で、物分りがよさそうなくせに、ここぞというところで意地になる。 主人に従順であるべき使い魔としては失格だが、それでも生きていて欲しい。 ……無事でいなさいよ。 祈りながらルイズはひたすら走った。 To be continued→
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前ページ/ゼロの使い/次ページ オスマンから、他言無用とは言われたが、主でもなく、自分より強いわけでもないオスマンに彼が従うはずは無かった。 彼は確かに、この学院最強のメイジだったが、彼と言えどもメディルには、 否、この学院中の「メイジ」が束になったところでメディルには敵わない。それは事実だった。 彼は部屋に戻るなり、事の仔細をルイズに報告した。一応、他言無用と釘をさしておいたが。 「正直、私はお前の様な小娘に従うのは不本意だった。だが、お前のお陰で私は他の魔術師が成し得なかった偉業を達成することが出来たのだ。 礼を言うぞ、ルイズ。」 メディルは件の書が解読出来た事によって、相当寛大な気分になっていた。 「そ、そんな・・・私は只・・・」 「謙遜することは無い。これからはかつての主君に仕える心構えで、お前に尽くすことを約束しよう。」 「そ・・・そう・・・これからもよろしく・・・」 正直、ルイズは彼の豹変振りに若干引いていた。 サモン・サーヴァントによって呼び出された者は多少、主に対し友好的になると言うが、 いかに長年解けなかった謎が解けたとはいえ・・・ひょっとしたらこれが彼の素なのかもしれない。 「あ、そうそう明日は品評会があるんだけど・・・何かいいアイデアはある?」 「品評会?」珍しく首をかしげる使い魔に、ルイズは説明する。 「毎年恒例のイベントよ。生徒が召還した使い魔をこの国の姫様と学院中にお披露目する・・・と言うね。」 「ふむ、それならば本番までに獣の骨を用意してくれないか?おそらく珍しい物を見せてやれるはずだ。」 「獣の骨ね。それならば厨房へ行けば鳥や豚の骨がいくらでもあるはずよ。持ってくるわね。」 何に使うか想像は出来なかったが、きっと物凄い事をやってのけるに違いない。 ルイズのそれは、予想でも過信でもない、確信だった。 翌日、メディルは自分の番が来るまで、ずっとあの巻物を読んでいた。 そして品評会の締め括り・・・いよいよメディルの番が訪れた。 「皆様、これにございますは鳥や豚といった動物の骨でございます。」 普段とは明らかに異なる芝居がかった口上と共に、メディルは壇上にルイズが厨房から持ってきた骨を並べた。 「それでは皆様、ご一緒にカウントダウンをお願いいたします・・・」 3・・・ 2・・・ゴクリ・・・ 1・・・客席の生徒や教師、アンリエッタ姫を筆頭とするトリステイン政府関係者、そして彼の主に緊張が走る。 「ザオリク!!」 客席から驚きの声が次々と上がった。 壇上の骨が浮かび、元の骨格を復元していき、やがて臓器や神経が生成され、骨だった動物達は元の姿に戻り、文字通り生き返ったのだ。 会場からは嵐、否あらゆる天変地異を同時に起こしたような拍手が送られ、当然のごとく、全ての賞はメディルに送られることとなった。 そして無事、品評会が終了し、二人は部屋へと戻った。 「凄いじゃないメディル!!死んだものを生き返らせるなんて。」ルイズがメディルの知る限り、最高の笑顔を浮かべながら彼の功績を褒める。 「賞賛には及ばぬ。通常ザオリクは下級の魔物や一部の人間、それにさっきの様な動物にしか効果を発揮しないのだ。」 「それでも十分凄いわよ!!」 コッコンコンコン・・・コンココン 突如、部屋に奇妙なノックが響いた。まるで何かの暗号のようだ。 「何だこの奇妙なノックは・・・?」 「まさか・・・このノックは・・・」 何か思い当たる節があったのか、扉を開けたルイズが、満面の笑みを浮かべる。 「やっぱり・・・」 そこには黒いショートヘアの見目麗しき気品溢れる女性― 品評会にも出席していた、アンリエッタ姫殿下その人であった。 「久しぶりね。ルイズ」 前ページ/ゼロの使い/次ページ
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336 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22 10 49.67 ID gckj6eAy0 ~次の日~ / __ ̄`ヽ { ヽ / ゝー { { ゝ= __ ゝ ′ ` 、 / \ . / / / | ∧ \ ヽ / / | | | | |. . . ;l_l__. | |l | | . 从7ナ ヘヽ;. }レ从/ノリ | . | . .|ィ孑テ ` |ノイソ} .| 「うう~ん……!? ……ああ、びっくりした | . . | ヽ, ゞー 、`´ | | そうだ……私昨日あいつを召喚しちゃって……それで疲れて寝ちゃったんだっけ ノ. |. . ヽ . ゝ _ /| ヽ そう言えばあいつ自分の名前も言ってないじゃない /. . .ノ . . . } . . .}` 、_ イ . . | . 、\ ……ここらで一回ご主人様としてしっかり教育しなきゃね…… //. . ./. . . ./l . . . .〉_,_,_」-┤ . ヽ. ヽ, ヽ こら! あんた! 起きなさい!」 ./ {. . ./ rーく/ . . . / /∧ ∧ . . \〉 } ヽ l . レ / . . . . ∧ ⌒∨ \ . .ヽ ノ \! l l . . ./、 ヽ、/ -ー } . . . .Y }/ | .. . { \_ _/ | . . . / /l \ ヽ ノ || \ / . . . .∧ヽ ./ | 〉 . .\ || ヽ/ . . . / | \ 339 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22 11 55.51 ID gckj6eAy0 ,. -‐ 、. /  ̄`~` ‐ 、 / ` ` ‐、 / `‐、 / \ , \ / ! \ / l ! | i . / , │ l l ! | │ / /./ | │ l 、 | | | , | .l ! . / / /l ! l | | | \ !|l | / | | ! / / ./ ! | l l | | ヽ. ヽ\ \ ヽ. ヽ. |│/ヽ| ! l ! 「すでに起きている。貴様が寝すぎなだけだ」 ` ‐ 、| l ヽ. ヽ.ヽ. ! l\\`‐、ヽ、\ヽ.| レ /ヽヽl ! ! . `‐、| 、ト、__\ 、 ヽ. l トーz、-‐ラ フヽ!|!/_,ゝヽ }. |│ \ヽl\`ー ヽ、\ヽ ∨ー`‐← ||!-、-、 /! |│ ヽト. ´ ̄ジヽN` -ゝ |! リ /|.| | | ! \ _iー | |.| | | |\. \ r‐== ヲ |  ̄`~` ‐ - 、 | ` ー-ヽ、 V r -‐ / .| | | `‐、 `ー- ./| , -.、 | | `‐、 / .| { {lll}} f{! _ _,,. 、-‐ | `エ´-─ー| ` ー ゞ ´ ヽ` ー- |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| / 348 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22 15 39.50 ID gckj6eAy0 , -‐ ´ ` ー、 / `ー-、 ,‐´ 、 `ヽ、 f‐ | ヽ ヽ ヽ / ー、 ヽ_ / ヽ ヽ ヽ\ ヽ / } _ l ヽ ヽ/! ヽ i ヽ i l / / ヽ l、 ヽ l ハ/f-f、 }l l、 |リ l l l_l_lr- {_ゝヽ ヽ |//fc リ /! /リ l |. . } l ハ、=ゞ==リ / ムソ /イ 〈 「きゃっ!? おおお、起きてたんならご主人様を起こしなさいよね! ノ l. . l イ /´七C、ム/ .. lゝ、ヽ、 ……んん! 昨日はうやむやになっちゃったけど、あんたは使い魔なの `ー-´ _-‐!. . ヾ l 弋ソ .. .. }l  ̄ 使い魔はご主人様のために働くのが当然で ー----- f´ ヽ. . ヽ、 ,__ -= /ヽ、 朝起こすのも、洗濯も、掃除も、着替えも全てあんたがやるのよ . . . _-―‐´、 ヽ. . . ヽ、 /  ̄ノ/! ヽ、 いい? わかった?」 . . . ヽ ヽ、 \ . . . ヽ、_ー‐ニ‐´ !. . ヽ、 . . . . .ヽ、ヽ ヽ、_ ヽ、! ヽフニイ / /ヽ . . ヽ . . ./ヽ、ヽ `ー-ヽ. . ヽl ll l / ヽ、. . ヽ . . . i ヽ \ }. . } l 7 | / }. . . } . . l \ `ヽ、 /. . . . , ヽTl / / /. . / . . .l \ \/. . . . /`ヽ、/ /. . . / . ./ ヽ/. . . . / / l| /. . . ,-‐´ 355 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22 18 42.66 ID gckj6eAy0 ,. -‐ 、. /  ̄`~` ‐ 、 / ` ` ‐、 / `‐、 / \ , \ / ! \ / l ! | i . / , │ l l ! | │ / /./ | │ l 、 | | | , | .l ! . / / /l ! l | | | \ !|l | / | | ! / / ./ ! | l l | | ヽ. ヽ\ \ ヽ. ヽ. |│/ヽ| ! l ! 「ふぅん、さすが凡骨言うことが違うな ` ‐ 、| l ヽ. ヽ.ヽ. ! l\\`‐、ヽ、\ヽ.| レ /ヽヽl ! ! 己の無能を棚に上げ人に頼るとは . `‐、| 、ト、__\ 、 ヽ. l トーz、-‐ラ フヽ!|!/_,ゝヽ }. |│ 着替えすらまともにできんとは、貴様は凡骨よりも猿のほうがお似合いだな \ヽl\`ー ヽ、\ヽ ∨ー`‐← ||!-、-、 /! |│ 人として恥をしれ!」 ヽト. ´ ̄ジヽN` -ゝ |! リ /|.| | | ! \ _iー | |.| | | |\. \ r‐== ヲ |  ̄`~` ‐ - 、 | ` ー-ヽ、 V r -‐ / .| | | `‐、 `ー- ./| , -.、 | | `‐、 / .| { {lll}} f{! _ _,,. 、-‐ | `エ´-─ー| ` ー ゞ ´ ヽ` ー- |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| / 382 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22 24 34.05 ID gckj6eAy0 , -‐ ´ ` ー、 / `ー-、 ,‐´ 、 `ヽ、 f‐ | ヽ ヽ ヽ / ー、 ヽ_ / ヽ ヽ ヽ\ ヽ / } _ l ヽ ヽ/! ヽ i ヽ i l / / ヽ l、 ヽ l ハ/f-f、 }l l、 |リ l l l_l_lr- {_ゝヽ ヽ |//fc リ /! /リ l |. . } l ハ、=ゞ==リ / ムソ /イ 〈 「さ、さささ猿ですってぇ~!? ノ l. . l イ /´七C、ム/ .. lゝ、ヽ、 ご主人様に向かって何てこというのよ! 誰が養ってあげると思ってるの!? `ー-´ _-‐!. . ヾ l 弋ソ .. .. }l  ̄ あんたこれからご飯抜きよ!? 一生あげないんだからね!?」 ー----- f´ ヽ. . ヽ、 ,__ -= /ヽ、 . . . _-―‐´、 ヽ. . . ヽ、 /  ̄ノ/! ヽ、 . . . ヽ ヽ、 \ . . . ヽ、_ー‐ニ‐´ !. . ヽ、 . . . . .ヽ、ヽ ヽ、_ ヽ、! ヽフニイ / /ヽ . . ヽ . . ./ヽ、ヽ `ー-ヽ. . ヽl ll l / ヽ、. . ヽ . . . i ヽ \ }. . } l 7 | / }. . . } . . l \ `ヽ、 /. . . . , ヽTl / / /. . / . . .l \ \/. . . . /`ヽ、/ /. . . / . ./ ヽ/. . . . / / l| /. . . ,-‐´ 398 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22 28 54.96 ID gckj6eAy0 , -─- 、 , -‐- 、 ,, - `V `‐、 / \ ./ \ / ヽ ./ / l ヽ / / / / ./ / l | .l .lヽ | l. l / / / ./ .l | | l / / l l.〉 l、 | | l / / ./ ./ |. l | ./ ./ ./ | |./ l、| | l // ///| l / / //// / / . l、l | /l///_/ l / //_|/_∠| / | / . /⌒ヽ | \ `ー ゝl // `ー /|/⌒v 「勝手にするがいい。先ほどこの寮の中を探索したが厨房があるようだな | l⌒l l|  ̄ ̄ //|〉 ̄ ̄ ̄ .|/^_l.l あれだけの設備があれば飯など自分で作れるわ ヽゝ(ー| /| ´ \| ll ),l ノ ふぅん。それよりもいいのか? 部屋の外がずいぶんと騒がしくなってきている lヽ_ / | ┌───7 /._/ お前が遅刻しようと俺には関係はないがな」 .l/ | l ̄ ̄ ̄/ / / ,ノ! / |.. V´ ̄∨ ./ /,.-‐ .| ./ (;;) |\ `ー‐ ´ / / | | _|_\ /| ./ | (| ,.-‐ | \__/ .|/ _,.-─; |/ .(;;) |─────┤ _,.-‐ /  ̄ | |^l / 424 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22 33 27.50 ID gckj6eAy0 / . / . 〃. / ヽ . .l. . . . . . / / ./  ̄.`X /. . . { { ヽ , . ヽ . .!. . . . . . l | .l . . . /l. . l\ ∧ . , . .j . 厶 .-ヘ ̄|`. . . . l | . ! | . . . ! ヽ{_ V\ヽ ハ . . /jイ/ \ . l. . |. . . . . . ヽヘ . .从 . . .lィ彡≠=ミ、 ´ } `ー/ ,ィ===ミヽヾ j . . . 「は、早くそれを言いなさいよね! |`ヽ!ヽ . . .{´ _ノ / ヾくリ . . . . ああもう! 使い魔がいるのになんで自分で着替えなくちゃいけないのよ!」 | . ハ. . .\ヽ __ _ , . . . . . ノ_厶| . . l / `ー─ヘ. / . . . . . 厂 | . . ,. , /´ ̄ ̄ヽ l / . . . . . . . _l l . .ヘ f { }l イ . . . . . . . _ -‐彡j ,′ . . . .\ ヽヽ ___ ノ/ /〃 . . . . . . . / .{ / . . . ヽ ヘ、 ` ー一 ´ イ/ ,′ . . . . . . . / . . . ./ \ / . . . . . ∨\_≧ー-‐≦_/ /i . . . . . . . 〃 . . . // \ / . . . . . . .l ∧ ∧ / { . . . . . . { . . / . / / . . . . . . . . .| ,/ ∨ ヽ / ヽ . . . . . . 430 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22 34 57.92 ID gckj6eAy0 ,. -‐ 、. /  ̄`~` ‐ 、 / ` ` ‐、 / `‐、 / \ , \ / ! \ / l ! | i . / , │ l l ! | │ / /./ | │ l 、 | | | , | .l ! . / / /l ! l | | | \ !|l | / | | ! / / ./ ! | l l | | ヽ. ヽ\ \ ヽ. ヽ. |│/ヽ| ! l ! 「……貴様、俺の存在を忘れるとはいい度胸だな」 ` ‐ 、| l ヽ. ヽ.ヽ. ! l\\`‐、ヽ、\ヽ.| レ /ヽヽl ! ! . `‐、| 、ト、__\ 、 ヽ. l トーz、-‐ラ フヽ!|!/_,ゝヽ }. |│ \ヽl\`ー ヽ、\ヽ ∨ー`‐← ||!-、-、 /! |│ ヽト. ´ ̄ジヽN` -ゝ |! リ /|.| | | ! \ _iー | |.| | | |\. \ r‐== ヲ |  ̄`~` ‐ - 、 | ` ー-ヽ、 V r -‐ / .| | | `‐、 `ー- ./| , -.、 | | `‐、 / .| { {lll}} f{! _ _,,. 、-‐ | `エ´-─ー| ` ー ゞ ´ ヽ` ー- |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| / 444 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22 37 10.48 ID gckj6eAy0 , -‐ ´ ` ー、 / `ー-、 ,‐´ 、 `ヽ、 f‐ | ヽ ヽ ヽ / ー、 ヽ_ / ヽ ヽ ヽ\ ヽ / } _ l ヽ ヽ/! ヽ i ヽ i l / / ヽ l、 ヽ l ハ/f-f、 }l l、 |リ l l l_l_lr- {_ゝヽ ヽ |//fc リ /! /リ 「はぁ? 何言ってるのよ l |. . } l ハ、=ゞ==リ / ムソ /イ 〈 使い魔に体見られたって恥ずかしいわけないでしょ ノ l. . l イ /´七C、ム/ .. lゝ、ヽ、 もう! 時間ないんだから邪魔しないでよ!」 `ー-´ _-‐!. . ヾ l 弋ソ .. .. }l  ̄ ー----- f´ ヽ. . ヽ、 ,__ -= /ヽ、 . . . _-―‐´、 ヽ. . . ヽ、 /  ̄ノ/! ヽ、 . . . ヽ ヽ、 \ . . . ヽ、_ー‐ニ‐´ !. . ヽ、 . . . . .ヽ、ヽ ヽ、_ ヽ、! ヽフニイ / /ヽ . . ヽ . . ./ヽ、ヽ `ー-ヽ. . ヽl ll l / ヽ、. . ヽ . . . i ヽ \ }. . } l 7 | / }. . . } . . l \ `ヽ、 /. . . . , ヽTl / / /. . / . . .l \ \/. . . . /`ヽ、/ /. . . / . ./ ヽ/. . . . / / l| /. . . ,-‐´ 448 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22 38 00.60 ID gckj6eAy0 ,. -‐ 、. /  ̄`~` ‐ 、 / ` ` ‐、 / `‐、 / \ , \ / ! \ / l ! | i . / , │ l l ! | │ / /./ | │ l 、 | | | , | .l ! . / / /l ! l | | | \ !|l | / | | ! / / ./ ! | l l | | ヽ. ヽ\ \ ヽ. ヽ. |│/ヽ| ! l ! 「……ふぅん、先に行くぞ」 ` ‐ 、| l ヽ. ヽ.ヽ. ! l\\`‐、ヽ、\ヽ.| レ /ヽヽl ! ! . `‐、| 、ト、__\ 、 ヽ. l トーz、-‐ラ フヽ!|!/_,ゝヽ }. |│ \ヽl\`ー ヽ、\ヽ ∨ー`‐← ||!-、-、 /! |│ ヽト. ´ ̄ジヽN` -ゝ |! リ /|.| | | ! \ _iー | |.| | | |\. \ r‐== ヲ |  ̄`~` ‐ - 、 | ` ー-ヽ、 V r -‐ / .| | | `‐、 `ー- ./| , -.、 | | `‐、 / .| { {lll}} f{! _ _,,. 、-‐ | `エ´-─ー| ` ー ゞ ´ ヽ` ー- |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| / 461 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22 43 13.92 ID gckj6eAy0 ,. -‐ 、. /  ̄`~` ‐ 、 / ` ` ‐、 / `‐、 / \ , \ / ! \ / l ! | i . / , │ l l ! | │ / /./ | │ l 、 | | | , | .l ! . / / /l ! l | | | \ !|l | / | | ! / / ./ ! | l l | | ヽ. ヽ\ \ ヽ. ヽ. |│/ヽ| ! l ! 「ふぅん。本来なら凡骨に名乗る名はないが ` ‐ 、| l ヽ. ヽ.ヽ. ! l\\`‐、ヽ、\ヽ.| レ /ヽヽl ! ! 特別に教えてやろう」 . `‐、| 、ト、__\ 、 ヽ. l トーz、-‐ラ フヽ!|!/_,ゝヽ }. |│ \ヽl\`ー ヽ、\ヽ ∨ー`‐← ||!-、-、 /! |│ ヽト. ´ ̄ジヽN` -ゝ |! リ /|.| | | ! \ _iー | |.| | | |\. \ r‐== ヲ |  ̄`~` ‐ - 、 | ` ー-ヽ、 V r -‐ / .| | | `‐、 `ー- ./| , -.、 | | `‐、 / .| { {lll}} f{! _ _,,. 、-‐ | `エ´-─ー| ` ー ゞ ´ ヽ` ー- |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| / 467 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22 44 55.14 ID gckj6eAy0 , -─- 、 , -‐- 、 ,, - `V `‐、 / \ ./ \ / ヽ ./ / l ヽ / / / / ./ / l | .l .lヽ | l. l / / / ./ .l | | l / / l l.〉 l、 | | l / / ./ ./ |. l | ./ ./ ./ | |./ l、| | l // ///| l / / //// / / . l、l | /l///_/ l / //_|/_∠| / | / . /⌒ヽ | \ `ー ゝl // `ー /|/⌒v 「俺の名は海馬瀬人!!!! | l⌒l l|  ̄ ̄ //|〉 ̄ ̄ ̄ .|/^_l.l 決闘者の頂点に立つ男だ!!!! ヽゝ(ー| /| ´ \| ll ),l ノ フハハハハハハハハハ!!!!!!!!」 lヽ_ / | ┌───7 /._/ .l/ | l ̄ ̄ ̄/ / / ,ノ! / |.. V´ ̄∨ ./ /,.-‐ .| ./ (;;) |\ `ー‐ ´ / / | | _|_\ /| ./ | (| ,.-‐ | \__/ .|/ _,.-─; |/ .(;;) |─────┤ _,.-‐ /  ̄ | |^l / 478 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22 47 06.23 ID gckj6eAy0 / 、 \ \ /` \ X ヽ ヽ ヽ / / / l ∨,斗、! ! | |/ / | |\ / f ハ ゙| l , {| | 丁≧ミ、/ ゞ′ l | 、ヽ レ ヾ \く ヾ;〉 , 、 | l ヽ \ 「きゃああああ!? ちょっと!? \.>〃 ` / ノ/ ∧ \ , 何大声上げてんのよ!?」 r ^ヾヽ |ハ、__ ヽ /〃´  ̄`ヽ ヽ! / } .リ | | ̄// \ \ ヽ /ヽ ノ l ∨ / 、 ヽ ` ー -- 、 Y´ /`ヽ. |/ 〈 _ \ ! \ ヽ/ \ ノ´ ヽ ヽ ト、 \ , { \ソ ̄ `ヽ \ , |ヽ\ \l \ \ l ヽ l|. \\ } . \ } ハ | ∧. ヽ \ / / ヽ /! } ! / ヽ } ヽ / /`ヽ ノ\ \ //| | | \ | / 480 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22 49 16.19 ID gckj6eAy0 ,. ´ ̄ ` 、 /`´ \ / 、 `ヽ、 / / !ヽ i i i | / / ,|/⌒、 | ハノ !`´ i 、\灯`|ノi / 「ミセス・シュヴールズ 人,ノ! i ト、.\. | .i/ >`ー- 、_ ゼロのルイズの使い魔がうるさくて勉強に集中できませーん」 / ∧i, |ヽ ̄ / ∨ ` ‐ 、 `ー´ / .ハ\ k. フ/ , `ー、 ;ヘ _,./ / i |\ トイ ! /ゝ、 ヽ; /! ヘ ./ ./ ー.j |―\!v ⌒ヽ;/´ ` -、i / ./ i / / i ム ,ノ / ヽ r ´ / | .| /. |,.- ´  ̄`ヾ; / ∨ i | / i ,! ヘ、_ _ ,.-, / ノ 、 ,/ i / | .r _`__ ∨イ.〉´ , く_/´ / / !/ ヽ ト、 _,.-y´//_ ,.- く,i `v、 / / ;/ ノ .人ゝ._,.ノ_,/ i ヽ、 iク / / / ー / i ヾ´ / 496 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22 53 28.86 ID gckj6eAy0 , -‐ ´ ` ー、 / `ー-、 ,‐´ 、 `ヽ、 f‐ | ヽ ヽ ヽ / ー、 ヽ_ / ヽ ヽ ヽ\ ヽ / } _ l ヽ ヽ/! ヽ i ヽ i l / / ヽ l、 ヽ l ハ/f-f、 }l l、 |リ l l l_l_lr- {_ゝヽ ヽ |//fc リ /! /リ 「キュルケ! あんたは元から勉強する気なんてないでしょ l |. . } l ハ、=ゞ==リ / ムソ /イ 〈 ……え? ミセスシュヴルーズ ……はい。わかりました。 ノ l. . l イ /´七C、ム/ .. lゝ、ヽ、 『錬金』をみんなの前でやってみせます」 `ー-´ _-‐!. . ヾ l 弋ソ .. .. }l  ̄ ー----- f´ ヽ. . ヽ、 ,__ -= /ヽ、 . . . _-―‐´、 ヽ. . . ヽ、 /  ̄ノ/! ヽ、 . . . ヽ ヽ、 \ . . . ヽ、_ー‐ニ‐´ !. . ヽ、 . . . . .ヽ、ヽ ヽ、_ ヽ、! ヽフニイ / /ヽ . . ヽ . . ./ヽ、ヽ `ー-ヽ. . ヽl ll l / ヽ、. . ヽ . . . i ヽ \ }. . } l 7 | / }. . . } . . l \ `ヽ、 /. . . . , ヽTl / / /. . / . . .l \ \/. . . . /`ヽ、/ /. . . / . ./ ヽ/. . . . / / l| /. . . ,-‐´ 前へ トップページ 次へ
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「ちょっと……何やってんのよ?」 「見て分からねーか」 「わたしが聞いてるのは主人を待たせて何やってんのってことよ!」 その言葉を完全にガン無視決め込み髪をブラシで整える。 プロシュートもイタリア人である。故に身だしなみには当然気を使う。 ちなみに兄貴『パッショーネ モテる男ランキング』の常に上位に君臨している(メローネ調べ) なお、最下位は5年連続してポルポがブッチ切りだ。(理由:包み込んでくれそうというより潰されそう 常に何か食ってる ・・・etc) それを終えたプロシュートがルイズの前に常人には若干関節に負担があるような立ち方で立つ ルイズの耳に ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ ┣¨┣¨┣¨┣¨ というような音が聞こえたような気がしたが関わると良いことが起こりそうにないので深く突っ込まない事にした。 食堂に向かいルイズが中に入る、だがプロシュートは入り口の前で止まっていた。 「どうしたのよ?」 「……オレはいい」 主従関係を教えるための朝食を用意していたルイズであったが本人が食べないというのでは意味がない。 「食べないのは勝手だけど後で欲しいって言っても知らないわよ」 何とか食堂に連れて行こうとする。 もっとも、ルイズが用意したプロシュートの朝食内容を見れば食堂内で即グレイトフル・デッド発動ということになり大惨事になっていただろうが。 「いいからさっさと行け……」 ルイズが食堂に入ったのを見届けるとプロシュートが壁に背を預け目を閉じる。勿論寝ているわけではない。 夢だ。あの夢が妙に気になっていた。 チームの仲間達の死体の目。あの姿と視線がフラッシュバックとして脳内に蘇りとてもじゃあないが朝食を摂る気にはなれなかった。 いや、それだけならまだいい。「ソルベ、ジェラード、ホルマジオ、イルーゾォ」ヤツらはボスを倒すと誓ったその日から覚悟はしていたし死んだ事も知っている。 だが「ペッシ、メローネ、ギアッチョ、リゾット」は別だ。ヤツらはまだ死んじゃあいない。何故ああもリアリティ溢れる夢を見たのか気に掛かっていた。 「メローネ、ギアッチョ、リゾット」に関しては腕が立つ連中だしあまり心配する事もないが気掛かりなのは弟分のペッシだ。 自分があの状況下から居なくなったという事は「老化の解除」即ち亀の中の連中の復活を意味する。 ペッシのビーチ・ボーイは1対1向けの能力だ、グレイトフル・デッドのように複数人を相手にするのには向いていない。 おまけにあの夢の中のペッシのやられ方はブチャラティのスティッキィ・フィンガースの攻撃にやられたものと同じだ。 その事が自然と彼に朝食を摂らせる気を失せさせていた。 (成長してりゃあいいがな…) 「……るのかい?」 声が聞こえプロシュートが目を開き周囲を見る。 そこには、ここの生徒と思われる男が少女を連れて立っていた 「聞こえているのかい?」 「何か用か?」 「まったく…聞こえているじゃないか、ミス・ヴァリエールが召喚した『平民』の使い魔だったね。道を開けてくれないか」 『平民』という部分を若干強調して男が話す。 だがプロシュートは壁に背を預け立っているので、人が通るスペースなど十二分にある。 「……通りたけりゃあ通りゃあいいじゃあねぇか」 「分からないかい?君は平民なんだから貴族に道を譲るのは当然じゃないか」 思わず蹴りを入れそうになるが、一応ルイズから騒ぎを起こすなと言われているため無言で道を開ける。 それを見た男が満足気な顔で少女を連れ食堂に入っていった。 もちろん、このままではプロシュート、いや暗殺チームとしての沽券に関わる。 男が食堂に入る前にグレイトフル・デッドで男の財布を抜き取っておいた。 数時間後騒ぎになるが犯人は誰か分からないままであった。(後のギーシュ財布盗難騒動である) 朝食を終えたルイズが授業を受けるべくプロシュートと共に教室に向かう。 この朝一の授業はサモン・サーヴァントの初めての授業。つまり皆が己の使い魔を披露する場も兼ねている。 その中にただプロシュートが立つ。ハッキリ言って浮いている、そりゃあもう浮いている。ジャンピン・ジャック・フラッシュを食らったかの如く浮いてる。 壁に背を預け腕を組みながら立つその姿はどう見てもヤクザです、本当に(ry ざわ……ざわ……ざわ…… ざわ……ざわ……ざわ…… 生徒がざわつき始めるがその内容は殆どプロシュートとルイズに対してのものだ。 その中に明らかにプロシュートに対して脅えているものが2~3名。初日のグレイトフル・デッドの広域老化攻撃に巻き込まれた連中だ。 話の内容から察するに他の生徒達からは「夢でも見てたんじゃあないか」とか「平民がそんな事できるわけない」とか言われているようで 本人達も気付けば特に異常は無いらしく夢あたりと思いたいらしいがやはり兄貴の平民にあるまじきプレッシャーが怖いらしい。 そんな中『ゼロのルイズ』という単語が聞こえる。プロシュートがルイズにそれがどういう意味か尋ねてみるが (アンタには関係ないでしょ!) という目で思いっきり睨み返される。 そうこうしているうちに授業が始まるがプロシュートには全く興味が無い事なのでほとんど話を聞いていない。 唯一、シュルヴルーズと呼ばれる教師が石を金属に変えた時はそれを見ていたようだが。 そして、ルイズが教師に呼ばれ前に出る。生徒達のざわめきがプロシュート達が教室に入ったものより大きく続々と生徒達が机の下などに退避する。 ルイズが詠唱を始め石に杖を向ける。だがプロシュートの背筋にゾクリと冷たい物が走る。 亀に直触りを仕掛けようとし、列車の天井にジッパーを付けたブチャラティが自分を攻撃しようとした時のように。 瞬時にグレイトフル・デッドを発現させ一気に教室の後ろまで下がる。机の下は生徒達とその使い魔で一杯で入る余裕は無い。 後ろに行きスタンドを構えさせた瞬間―――『爆発』が起こった。 色々な破片がプロシュートに飛んでくるが全てグレイトフル・デッドで迎撃する。精密動作がニガテとはいえこの程度の物を落とすのは訳はない。 机の下に隠れてたとはいえ爆風まで完全に遮断できず、生徒達が若干ススに汚れたまま這い出てくる。 一応自身を見るがスーツに傷や汚れは無い。オーダーメイドであり体に完全に馴染むものはこれ一着しか無い。汚れはともかく傷だけは御免だ。 スス塗れの生徒達からルイズに明らかに非難と侮蔑の視線と言葉が集まる。当のルイズは下を向き若干震えたようにしている。 だが、プロシュートが抱いた感想は生徒達の物とは違っていた。 (隠密行動や暗殺には向かねーが、大した威力じゃあねーか) あくまでギャング的な思考である。 授業終了後、殆どの全ての生徒が出て行った教室でルイズとは対照的な女とルイズが激しくガンを飛ばしまくっていた。もっともほとんどルイズが一方的にではあるが。 「また派手にやってくれたもんねぇゼロのルイズ」 「きょ、今日は少し調子が悪かっただけよ!」 「あら、今日じゃなくて何時もの間違いじゃない?」 など口論している、ところにプロシュートが割り込む。 「聞きてぇんだが『ゼロのルイズ』ってのはどういう意味だ?」 「あら…あなたがルイズの召喚したっていう平民ね。…結構シブくて良い男じゃない」 「フン…で、オレは『ゼロのルイズ』って意味を知りてぇんだが」 「だから、アンタには関係ないって――ひょっほあにふんほよ!(ちょっとなにすんのよ!)」 女がルイズの口を押さえてプロシュートの問いに答え始める。 「なるほどな、あの爆発は魔法に失敗した結果って事か」 「そう、今までの魔法が100%失敗してるから『ゼロ』って事よ」 「あらもう、こんな時間。先に行ってるからこれからも頑張んなさいよゼロのル・イ・ズ♪」 「~~~~~~~ッ!!」 からかうようにして言い放つ女に対し怒りが限界を突破して声にすらなっていない。ルイズ火山噴火一歩手前というところである。 ・・・ だが、次の瞬間プロシュートが取った行動は―――意外ッ!それは肘撃ちッ! バギィ! 教室に響く鈍い音 若干手加減されていたとはいえ現役ギャングの攻撃である。女は思いっきり床に倒れていった。 ルイズとその女、双方とも何が起こったのは分からないといったような表情だ。先ほどまでの喧騒が嘘の様に静かになっている。 「使い魔…それも…平民が!名誉あるツェルプストー家の…この『微熱のキュルケ』に何てことをッ…!!」 ルイズの方はまだ何が起こったのは理解できていない様子で倒れているキュルケを見たまま動けないでいる だが、プロシュートはそんな事に構いもせず倒れている女―キュルケに近寄り言い放つ。 「オレの世界ではなッ!侮辱するという行為は殺人すら許さていると言ったヤツが居るッ! いけすかねぇ豚野朗だったがそいつのその言葉だけは一理あったッ!今ッ!オメーはそういう事をこいつにやっているんだぜッ!」 プロシュートの迫力に何も言えなくなるキュルケ、そしてプロシュートが自分が『ゼロのルイズ』と呼ばれていた事に対してキュルケを殴った事に気付く。 (え…こいつが怒ってるのってわたしが『ゼロのルイズ』って呼ばれて、侮辱されたからって事…?) さらにヒートアップするプロシュートの説教。チーム内でもペッシ、メローネ、ギアッチョに対しての説教の多さは有名になっていたりする。 まぁメローネとギアッチョは大して聞いていないため実質ペッシだけであるが。 「行くぜルイズッ!」 ギャングとしての説教を終えルイズを呼び教室を去るプロシュート。呼ばれた方は初めて自分の名前が呼ばれた事もあってマトモな返事も出来ず付いていく。 そして一人教室に残されたキュルケ。何も言えなかった、何も言えるはずがなかった。 「平民が…!この『微熱のキュルケ』に…!許せない…!許せない…!」 そう呟く。だが次の言葉で何も言えなかった理由が判明する。 ・・・・・ 「……許せないぐらい『燃えてきたわッ!』」 微熱のキュルケ、その二つ名の本領が発揮された瞬間であった。 戻る< 目次 続く
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その日、マルトーに夕食を御馳走になった後、年代物が手に入ったといって振舞われたワインに気をよくし、ついつい長居をしてしまったヴァニラが部屋に戻ると、既にドアに鍵が掛けられていた 「おい、ここを開けろ」 酒精のおかげで多少おおらかになったヴァニラは即座にプッツンする事は無かったが多少いらついた口調でドアをノックする が、反応は無い 気配を感じる以上中にいるのだろうが寝ているのか無視しているのか・・・・恐らく後者だろう しかも足元には御丁寧に綺麗に畳んだ毛布まで置いてある ヴァニラは知る由もないが食事を終え部屋へ戻ったルイズは部屋にいない使い魔を探しに出て、ヴァニラが厨房でシエスタやマルトーたちとささやかな品評会を催しているのを見て機嫌を損ね、このような行動に出ていた しかし先記した通りヴァニラはそのことを知らない、つまりまたルイズの高慢さから出た自分勝手な行動だと認識する・・・・つまり挟み撃ちの形にならない バリバリとドス黒いクレヴァスが口を開け始め新しい入り口を新設してやろうか等と思い始め、即座に行動に移そうとしたのとほぼ同時に、廊下の向うからペタペタと四足歩行生物の足音が聞こえてきた 「む?」 クリームの口内へ潜り込もうとしていたのを中断し、音の方へ顔を向けると廊下の暗がりから微かに光る一対の瞳と、赤々と燃える炎が近づいてくる 「お前は・・・・」 それは今までこそこそと影からヴァニラを監視していた爬虫類 堂々と姿を現したのを戦意アリと認識したヴァニラがクリームを飛ばそうと身構える が、相手はそれを否定するように首を振り、きゅるきゅると人懐っこい鳴き声を出す 何故かヴァニラはその鳴き声の意味が理解できたような気がし、しゃがんで視線を合 わせ、問いかけてみた 「お前は・・・誰の使い魔だ?」 「きゅるきゅる」 その問いに答えるようにサラマンダーはルイズの隣の部屋へ平べったい顔を向けた 「・・・・・隣か、迂闊だったな」 眉間に皺を寄せ、苦々しく呟くヴァニラを他所に、サラマンダーはついて来いと催促 するようにヴァニラのジャケットの裾を引っ張る 「・・・いいだろう、何の用か知らんが理由も聞きたい」 ヴァニラは軽く溜息を漏らし、隣室のドアをノックする 「どうぞ」 返って来た女の声に、女子寮なので当然といえば当然だが――呼吸を整えると不意打ちに身構えつつドアを開け、足を踏み入れる しかし、部屋の中は真っ暗だった ヴァニラの後からついてきたサラマンダーの周りだけぼんやりと明るく光っている DIOの館で暗闇には慣れていたが召喚されて以来光のある生活が当たり前になっていた ヴァニラには先の見通せないでいた 不意打ちに備え急所を庇うようにクリームを展開させるが魔法の変わりに女の声が聞こえてきた 「戸を閉めて?」 ヴァニラは言われた通りにした 逃げ道なら簡単に作れる 「ようこそ、そして初めまして・・・・でもないわね。こちらにいらっしゃい」 「この蜥蜴を通してみていたのか?」 その場から動かずヴァニラは淡々と訊ねる ここは既に相手の領域、これ以上主導権を奪われるわけには行かない 相手が戦うつもりであると信じ込んでいるヴァニラは臨戦態勢だった 「ええ、それに直接見ることもあったわ。ねぇ、そんなに堅くならないでこっちにいらっしゃいな」 地の利と視角、絶対有利なはずのこの状況で攻撃もせず、誘うような相手の声にヴァニラは漸く疑問を持ち始める 「しかし暗いぞ」 指を弾く音が聞こえた すると部屋の中に置かれたいたロウソクが一本ずつ燈っていく ヴァニラの近くに置かれていたロウソクから順に火は燈り、ベットの傍のロウソクがゴールだった 道のりを照らす街灯のように、ロウソクの灯が浮かんでいる ぼんやりと淡い幻想的な光の中、ベットに腰掛けた褐色の肌に深紅の瞳と頭髪を持つ女の悩ましげな姿があった ベビードールというのだろうか、そういう誘惑するための下着を着けている・・・・ というかそれ以外はなにもつけていない それを見たヴァニラの感想は (・・・・・・・・痴女か?) 冷めていた 何せDIOの配下に扇情的な衣装の女が一人いたうえに食料の女たちも似たり寄ったりで今更動じる事は無かった だが殆ど透けたような生地の下着を持ち上げる盛り上がりには多少驚いたが そのベクトルもルイズと同い年でどうしてここまで違うのかという ルイズが聞いたら激怒するであろうものだった 勿論学園のシステム上同学年であっても年齢は違うのだが それにしてもこの差はないだろう 女はヴァニラの視線を勘違いしたのか微笑み、名乗った 「名乗るのが遅れたけど私の名前はキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプトー、キュルケと呼んでくださってけっこうよ?」 名乗る際にクセなのか軽く前髪を掻き揚げるが、その動作すらも計算したように悩ましげな様子を見せる 「ではキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプトー嬢、既にご存知だろうがこのヴァニラ・アイスに何のようだろうか?」 一度聞いた名前を一字一句間違えず返し、軽い皮肉を込めて訊ねる 「あん、つれない人ね。そんなところに突っ立ってないで、いらっしゃいな」 キュルケはヴァニラの問いに答えず色っぽい声で誘う 望む答えが得られず軽い落胆の溜息を吐くとヴァニラは諦めたよう、誘われるままにキュルケの元へ向かった 「座って?」 ヴァニラは言われたとおりにキュルケの隣に腰掛けた 裸に近いキュルケの隣にいても至って平静を保っていたが流石に多少の興味は湧き ・・・・・DIOの姿を思い浮かべると即座に消えた 「改めて聞くが、何の用だ?」 至って平静を保った声でヴァニラが言った 燃えるような赤い髪を優雅に掻き揚げ、キュルケはヴァニラをみつめる ぼんやりとしたロウソクの灯に照らされたキュルケの褐色の肌は野性的な魅力を放ち、ヴァニラ以外の誰かをどうにかしそうになる キュルケは大きく溜息を吐き、そして悩ましげに首を振った。 「あなたは、あたしをはしたない女だとおもうでしょうね」 「まったくだ」 「思われても、しかたがないの。わかる?あたしの二つ名は『微熱』」 「知らん。熱なら水でも被って醒ませ」 突然の口上に呆れたように受け答える 「あたしはね、松明みたいに燃え上がりやすいの。いきなりこんな風にお呼び出ししたりしてしまうの。わかってる、いけないことよ」 「理解していて抑えられないのか、最低だな」 ヴァニラは早く解放されて適当に相槌を打った 正直相手の意図がさっぱり読めない 読めないのが逆に恐怖になりつつある 「でもね、あなたはきっとお許しくださると思うわ」 キュルケは潤んだ瞳でヴァニラを見つめた 確実にヴァニラが言った事を理解していない 「・・・・・・・・何故?」 キュルケはすっとヴァニラの手を握ってきた 一本一本、ヴァニラの手を確かめるようになぞり始めた ヴァニラの背筋に悪寒が走った 「恋してるのよ。あたし。あなたに。恋はまったく、突然ね」 「まったく突然だ。ところで帰っていいか?」 ヴァニラは真顔で切り返すがキュルケの顔は真剣そのものだった 「あなたが、ギーシュを倒した時の姿・・・・。かっこよかったわ。まるで伝説のイーヴァルディの勇者みたいだったわ!あたしね、それを見て痺れたのよ。信じられる!痺れたのよ!情熱!あああ、情熱だわ!」 「・・・・情熱か、で?」 「二つなの『微熱』はつまり情熱なのよ!その日からあたしはぼんやりとマドリガルを綴ったわ。マドリガル、恋歌よ。あなたの所為なのよ、ヴァニラ。あなたが毎晩あたしの夢に出てくるものだから、フレイムをつかって様子を探らせたり・・・・。ほんとうにあたしってばみっともない女だわ。そう思うでしょう?でも、全部あなたの所為なのよ」 ヴァニラはなんと答えればいいのかわからずにじっと座っていた とうか答える答えない以前に言い知れぬ恐怖を感じていた キュルケはヴァニラの沈黙をイエスと受け取ったのか、ゆっくりと目を瞑り唇を近づけてきた 確かにキュルケは魅力的だ カリスマ性こそ比べるべくも無いが女性という点ではDIOより明らかに魅力は上のはずだ、ヴァニラも男である どうせ元に戻る当ても無い、このまま流されてしまうのもありか、などと一瞬浮かぶが・・・・・キュルケの肩を押し戻した なんとなく、悪い予感がした どうして?と言わんばかりの顔でキュルケがヴァニラをみつめる ヴァニラはキュルケから目を離さず 「つまり今までの話を要約するとお前は惚れっぽい」 それは図星のようでキュルケは顔を赤らめる ヴァニラにしては何を今更、といったところだが 「そうね・・・・・。人より、ちょっと恋ッ気は多いのかもしれないわ。でもしかたないじゃない。恋は突然だし・・・・」 キュルケがその台詞を言い終わらぬうちに、窓の外が叩かれた そこには恨めしげに部屋の中を覗く一人のハンサムな男の姿があった 「キュルケ・・・・。待ち合わせの時間に君が来ないから来てみれば・・・・」 「ペリッソン!ええと、二時間後に」 「話が違う!」 ここは三階だがどうやらペリッソンと呼ばれた生徒は魔法で浮いているらしい キュルケは煩そうに胸の谷間に差した派手な魔法の杖を取り上げると窓のほうを見もしないで杖を振る その動きに同じてロウソクの火から炎が大蛇のように伸び、窓ごと男を吹き飛ばした 「まったく、無粋なフクロウね」 ヴァニラはすっかり元のように冷め切った目でその様子をみつめていた 「でね?聞いてる?」 「今のは?」 「彼はただのお友達よ。とにかく今、あたしが一番恋してるのはあなたよ。ヴァニラ」 キュルケはヴァニラに再び唇を近づけた しかしそれを阻むように今度は窓枠が叩かれた 見ると悲しそうな顔で部屋の中を覗き込む精悍な顔立ちの男がいた 「キュルケ!その男は誰だ!今夜は僕と過ごすんじゃなかったのか!」 「スティックス!ええと、四時間後に」 「別けはともかく理由を言えッ!」 怒り狂いながら男は部屋に入ろうとするが再びキュルケが杖を振ると同じようにロウソクの火から生まれた蛇が男を飲み込み、地面に落ち ていった 「・・・・今のも友人か?」 「彼は、友達というよりはただの知り合いね。とにかく時間をあまり無駄にしたくないの。夜が長いなんて誰が言ったのかしら! 瞬きする間に太陽はやってくるじゃないの!」 キュルケはヴァニラに唇を以下略 今度は窓だった壁の穴から悲鳴が聞こえた 既に予想はついていたが、ヴァニラは呆れたように窓の外に目を向ける 窓枠で三人の男が押し合いへし合いしている 三人は同じに同じ台詞を吐いた 「キュルケ!そいつは誰なんだ!恋人はいないって言ったじゃないか!」 「マニカン!エイジャックス!ギムリ!」 今まで出てきた男が全員違うのにヴァニラは感心した (まるでホルホースだな。あいつはきちんと折り合いをつけてそうだが・・・) 「ええと、六時間後に」 キュルケが面倒そうにいうと 「朝だよ!」 三人は仲良く唱和した キュルケはうんざりした声でサラマンダーに命令した 「フレイムー」 きゅるきゅると部屋の隅で寝ていたサラマンダーが起き上がり、三人が押し合っている窓だった穴に向かって炎を吐いた それをもろに浴びた三人は仲良く地面にキッスすべく落下していく 「今のは?」 ヴァニラは分かりきったことを敢えて尋ねた 「さあ?知り合いでも何でもないわ。とにかく!愛してる!」 キュルケはヴァニラの顔を両手で挟むと真っ直ぐに唇を奪おうとする その時、ドアが物凄い勢いで開けられた 正しくは内側に向かって吹き飛ばされた また男か、と思ったら違った ネグリジェ姿で杖を持ったルイズが立っている キュルケはちらりとルイズを見るがドアが吹き飛ばされたにも関わらずそのままヴァニラの唇を奪おうとするが、ルイズが杖を振り上げた のを見てヴァニラがキュルケを突き飛ばす、 それに僅かに一瞬遅れて先程まで二人の顔のあった場所の延長線の壁が爆発した 「キュルケ!」 小さく舌打ちし、艶やかに部屋を照らすロウソクを一本一本忌々しそうに蹴り飛ばしながら、ルイズは二人に近づいた ルイズは怒る男口より先に手が動き、さらに起こると手より足が先に動くのだった ヴァニラに似ている気がするがきっと気のせいだろう キュルケは起き上がりながらルイズに今気づいたように顔を向ける 「取り込み中よ。ヴァリエール」 「ツェルプストー!誰の使い魔に手を出してんのよ!」 ヴァニラは我関せずといった様子で成り行きを見守っている ルイズの鳶色の瞳は爛々と輝き、火のような怒りを表している 「しかたないじゃない。好きになっちゃったんだもん」 キュルケは両手を上げた ヴァニラは二人の間に挟まれ心底面倒臭そうにしている 三人の温度差が物凄く激しい、ひょっとしたら陽炎が出来ているかも知れない 「恋と炎はフォン・ツェルプストーの宿命なのよ。身を焦がす宿命よ。恋の業火で焼かれるなら、あたしの家系は本望なのよ。 あなたが一番ご存知でしょう?」 キュルケは上げた両手を竦めて見せた ルイズの手がわなわなと震える 「きなさいヴァニラ」 ルイズはヴァニラをじろりと睨む それに応じるようにヴァニラは立ち上がり、それを見ていたキュルケが追いすがるように裾を掴む 「あら、お戻りになるの?」 キュルケは悲しそうにヴァニラを見つめる キラキラとした目が、悲しそうに潤む 「・・・・・・」 だがヴァニラは可哀想だけど明日には以下略な目で見るとルイズに促されるままにさっさと歩き出した 部屋に戻ったルイズは身長に内鍵を閉めるとヴァニラに向き直った 「まるでサカリのついた野良犬じゃないの~~~~~~~~~ッ!」 声が震えている ルイズは怒ると口より先に手が動き、手より先に足が動く、もっと怒ると声が震えるのだ その震える声でツェルプストーとヴァリエールの長きにわたる因縁を語り始める ヴァニラは初めは面倒臭そうにしていたがどうやらDIOとジョースター家のような関係なのだと理解した したのだが (それは殆ど逆恨みじゃないのか?) 領土の問題は別として恋人云々の話は明らかに逆恨みだ しかも寝取られたということは開いてのほうが魅力的だったということだろう このヴァニラ、どこまでもドライだった 一頻り文句をぶちまけ、乗馬用の鞭を振るうだけ振るったルイズは肩で息をしながらヴァニラを睨みつけている まだ何か言う事はないかと必死に考えているようだが怒り心頭の頭では何も浮かばないらしい 因みに鞭は振り下ろす度に先端を削り取られ今は持ち手以外残っていなかった、勿論ヴァニラにかすりもしていない 「そうか、わかった。今後気をつけよう」 そのタイミングを見計らったようにヴァニラが頭を下げる それでも何か言おうとするが文句を言い尽くしてしまった後では何も出てこない 「そ、そう。分かればいいのよ!」 仕方なく威厳を保つようにちっぽけな胸をそらしてみせた 「今度から何かあったらきちんと断りなさいよ、脅してもいいわ」 ルイズは物騒なことをぬかしたが、流石にクリームで消し飛ばしたとあっては責任問題としてルイズにも累が及ぶ、暫し考え 「あんたに剣を買ってあげる」 「剣?私には必要ない」 ヴァニラは即答するが 「いいから持ちなさい、あんたいつかあのわけの分からない力で人を殺しそうで見ちゃいられないのよ」 先程隣人の顔面に向けて失敗魔法をぶつけようとした人間の台詞とは思えない 「明日は虚無の曜日だから街に連れてってあげる」 ヴァニラの意思を無視して明日の予定を決めるとルイズはベットに潜り、灯りを消す 「おい、私は中で寝ていいのか?」 「いいわよ。またキュルケに襲われたら大変でしょ」 ヴァニラの問いに面倒臭そうに答えると程無くして静かな寝息を立て始めた 灯りの落ちた部屋で小さく溜息を吐き、ヴァニラは毛布に包まって横になる まだ何か嫌な予感がするが、きっと気のせいだと言い聞かせ、そのまま眠りに落ちた To Be Continued...
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ああ困った困った困った弱った弱った。 「表面的には焦っていても、心の中では常にクール」がモットーのルイズちゃんだけど、こればっかりは本当にまいった。 「おいおい後がつかえてるんだぞ。さっさと終わらせろよゼロのルイズ」 「あなたのせいで私達まで使い魔無しなんてことになったらどうするのよ」 「そうだぞ、くだらないワガママ言うなよ。立派な眼鏡じゃないか」 ここでまたドカン。笑われるかわいそうなわたし。 眼鏡。眼鏡かあ。眼鏡だよねぇ。眼鏡、眼鏡。うううう。ああああ。 くうう……慌てるな。落ち着くんだ。 冷静になるんだルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。名前長っ。 「うるさいわね! あなた達ちょっと黙ってなさいよ!」 とりあえず怒鳴り返すポーズだけはとっておくとして……さてどうする。 今はまだ笑う余裕があるけど、これ以上時間を使えばまわりの空気も悪くなるでしょ。 そうなればわたしが悪者みたくなって、皆に責められる。 この後いまいちな使い魔召喚した子達はきっと 「ルイズの馬鹿が時間使いすぎやがって。おかげで俺までとばっちりさ」 「まったく、ゼロのルイズにも困ったもんだな」 ダメダメダメ。これはダメ。 なんで他人の使い魔までわたしの責任になるのよ。おかしいでしょ。 だいたいここでゴネきって再召喚させてもらうとしても、この眼鏡が出てくるまですでに呪文詠唱十七回。 十八回目も手ごたえ無しで爆発、こりゃ当然失敗したと思ったらそこにはこの眼鏡。 やり直すとしても……まあ、普通に考えて成功する見込み無し。 「さっさと契約しなさい、ミス・ヴァリエール。眼鏡の何が悪いというのかね」 この毛髪ツンドラ地帯、人事だと思っていい加減なこと言ってくれるじゃないの。 「眼鏡は悪くない」 だったらあんたの使い魔にしなさいよザ・眼鏡。 「そろそろあきらめろよゼロのルイズ!」 みんな静かに。考えがまとまらない。笑うなマリコルヌ。肉屋に卸すよ。 グラモンの馬鹿、いちいち隣の縦ロールにささやいてるんじゃない。 グラモンの阿呆、その好奇心丸出しな顔を引っ込めなさい。 うううう。どうしようかなあ。眼鏡で我慢すべきかなあ。嫌だなあ。でも使い魔無しよりは眼鏡かなあ。 フレームをつついてみた。レンズをノックして、蝶番を何回か開閉させてみる。 実体が無かったり、この世界には無い物で作られていたり、わたしに話しかけてきたりすることはない。 まごう事なき、混じりっ気無し、誰が見ても正真正銘、ただの眼鏡だ。 コレ本当に眼鏡以外の何者でもないね。なのにわたしの使い魔だってさ。困ったね。あはははははは。 もうどうにでもなれとダメモトで眼鏡をかけてみた。 お、ちょっとすごいな。かなり遠くの方までしっかり見える。 べつに目ぇ悪いわけじゃないんだけど、それでも効くもんねぇ。 ただ見た目だけじゃなく、実際的なところにも気を配ってるってわけか。 すごいねコレ。眼鏡なんだけどね。あははははははははははははははははははは。 ……なんかもうどうでもよくなってきた。疲れた。 人間であり、貴族でもあるこのわたしが、なぜ眼鏡ごときにここまで気を遣わなければならないのか。 もういいよ。眼鏡眼鏡。みんなのばーかばーか。うんこうんこ。 「ミス・ヴァリエール。気は済んだかのな」 「……はい」 なるだけ情けない顔にはならないよう振り向いたけど、あたしの努力は結局無駄に終わった。 どれだけ頑張ったっていつもこうなる。 もう本当にね。みなさんかんべんしてください。 眼鏡を額の上に押しやって、肉眼で皆を見る。普通だ。 眼鏡を鼻の上に据え付けて、レンズ越しで皆を見る。普通に全裸だ。 お前もうコラいんちき眼鏡いい加減にしなさいよ。 「どうしたのかね?」 「いえ、あの」 「気分でも悪いのかね?」 「あ、ちょ、ちょっと待ってくださいミスタ・コルベール! そこで止まって!」 全裸のまま真顔で近づいてくる人間がいればわたしもビビる。 しかも、その、なんというか、コルベール先生は他の男子に比べて、その……。 ま、まあいいや。意外な人の意外な発見は置いておくとして、問題はこの眼鏡だ。 みんなが「何やってんだこの馬鹿?」って顔でわたしを見ている。 眼鏡をかけると、全裸のみんなが「何やってんだこの馬鹿?」って顔で見ている。馬鹿はあんたらだよ。 何度か繰り返してみたけど、やっぱりこの眼鏡をかけるとおかしなことになる。 これはひょっとして、ただの眼鏡じゃない? それともわたしの頭がおかしくなった? あ、キュルケってばちゃんと下の毛も赤いのね。そりゃそうか。 「ちょっとモンモランシー」 「なによゼロのルイズ」 「あなた、昨日の晩虫に刺されたりしなかった?」 モンモランシーは怪訝な顔で 「何で知ってるの?」 「肩とか?」 「だから何で知ってるのよ」 本物だ……この眼鏡は本物だ。ひょっとしたらわたしはとんでもない物を呼び出してしまったのかもしれないぞ。 あ、キュルケのおっぱいすごい。乳房とかいうべきなのかもしれないけどあえてこう言う。おっぱい。 でかいだけだと思ってたけど大きさだけじゃないわ。大きなおっぱいにありがちな形崩れが全く無い。 トレーニングとかしてんのかな。バストアップの体操とか。 でも努力のしがいもあるよね。あれだけ大きかったらわたしだってするもん。 いいなあキュルケばっかり。おっぱい大きいし、魔法もすごいし。いいなあああ。 「ちょっとルイズ。何よ、人のことじろじろ見て」 「そっちこそ何よキュルケ。なんでわたしがあなたを見るのよ。自意識過剰なんじゃないの」 乳首の色も綺麗な桜色。褐色の肌によく映えること。いいなああああ。